国立医療センター情報システムの運用・保守業務委託の一般競争入札等に関し,調達機関情報部長被告人が | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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国立医療センター情報システムの運用・保守業務委託の一般競争入札等に関し,調達機関情報部長被告人が,入札予定会社代表者被告人に対し,秘密情報を漏えいするなどした便宜な取り計らいに対し,代表者被告人が賄賂を供したことなどから官製談合防止法・公契約関係競売入札妨害等の罪に問われた事案。

 

大阪地方裁判所判決/平成26年(わ)第5241号、平成26年(わ)第5242号、平成26年(わ)第5652号

平成30年3月16日

公契約関係競売入札妨害,贈賄被告事件,入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反,公契約関係競売入札妨害,高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律違反被告事件

【判示事項】    国立医療センター情報システムの運用・保守業務委託の一般競争入札等に関し,調達機関情報部長被告人が,入札予定会社代表者被告人に対し,秘密情報を漏えいするなどした便宜な取り計らいに対し,代表者被告人が賄賂を供したことなどから官製談合防止法・公契約関係競売入札妨害等の罪に問われた事案。

裁判所は,情報部長被告人は非公開情報(入札金額の積算根拠となる本件体制表)を代表者被告人にそれと知りながらメールで送信し,被告人両名は平成25年入札では代表者被告人会社に有利にする目的で「仮想化構築実績条項」等を盛り込んで他の業者参入を困難にしたと認定するなどした上で,態様は共犯者間で頻回に連絡を取り合うなど芳しくなく,入札の公正に対する信頼を損なったところは大きく,被告人両名の刑事責任は軽視できないなどとして,代表者被告人を懲役2年6月,情報部長被告人を懲役2年,両被告人を執行猶予4年に処した事例

【掲載誌】     判例時報2454号110頁