公職選挙法第146条の規定に違反して文書図画を頒布した罪の罪数 東京高等裁判所判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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公職選挙法第146条の規定に違反して文書図画を頒布した罪の罪数

 

東京高等裁判所判決/昭和26年(う)第3102号

昭和26年10月22日

公職選挙法違反被告事件

【判示事項】    1、公職選挙法第146条の規定に違反して文書図画を頒布した罪の罪数

2、包括一罪と認められる同法第243条第5号該当の文書頒布罪の判示方法

【判決要旨】    1、公職選挙法第146条(文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限)の規定に違反し、多数人に対し1枚ずつ文書を頒布したときは、各被頒布者の数に応ずる各独立の同法第243条第5号に該当する罪の成立を認むべきではなく、これを包括的に観察して右法条違反の一罪と認めるのが相当である。

2、包括一罪と認定した同法第243条第5号該当の文書頒布罪を判示するには、その一連の行為につき、犯罪の日時としてその始期と終期を明らかにし犯罪の場所としてその主要なものの数箇所を列挙し、被頒布者の氏名としてその主要なものを掲げた上、外何名と判示すれば足りる。

【参照条文】    公職選挙法146

          公職選挙法243

【掲載誌】     高等裁判所刑事判例集4巻12号1622頁

          東京高等裁判所判決時報刑事1巻8号103頁

          刑事裁判資料72号208頁