A社との間で雇用契約締結し,A社に英語指導助手業務を委託した市の設置する市立小学校で英語指導助手業務に従事した原告が,被告(日本年金機構)に対し,厚生年金保険及び健康保険の被保険者であることの確認請求の却下処分の取消しと被保険者であったことの確認の義務付け及び,国に対し,再審査請求の棄却裁決の取消しを求めた事案。
東京地方裁判所判決/平成24年(行ウ)第70号
平成27年3月20日
裁決取消等請求事件
【判示事項】 A社との間で雇用契約締結し,A社に英語指導助手業務を委託した市の設置する市立小学校で英語指導助手業務に従事した原告が,被告(日本年金機構)に対し,厚生年金保険及び健康保険の被保険者であることの確認請求の却下処分の取消しと被保険者であったことの確認の義務付け及び,国に対し,再審査請求の棄却裁決の取消しを求めた事案。
裁判所は,原告の労働時間は,優に1日7時間,週35時間を超え,短時間労働者には当たらないとし,A社に使用されていた期間,本件各保険の被保険者であったと認め,本件却下処分の取消請求及び本件義務付けの訴えを認容し,再審査裁決の取消請求は,訴えの利益が失われたとして却下した事例
【判決要旨】 日本年金機構が,教育事業等を目的とする株式会社に雇用され,小学校に派遣されて英語指導助手業務に従事していた外国人である原告に対して,原告は厚生省保険局保険課長,社会保険庁医療保険部健康保険課長及び同部厚生年金課長の連名による都道府県民生主管部(局)保健課(部)長宛て昭和55年6月6日付け内かんが健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取り扱うべきであるとする短時間就労者には当たらないなどとしてした,原告の厚生年金保険及び健康保険の被保険者の資格の確認の請求を却下する旨の処分は,上記株式会社との間の労働契約に基づく原告の労働時間等の判示の事情の下では,原告は,厚生年金保険法9条にいう「適用事業所に使用される70歳未満の者」及び健康保険法3条1項本文にいう「適用事業所に使用される者」から除外されるような短時間労働者には当たらず,厚生年金保険及び健康保険の被保険者であったと認められ,上記内かんの基準の当否について論ずるまでもなく,違法というべきである。
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載