内航海運業者の無資格者に対する名義貸し等に関する契約が公序良俗に反して無効であるとされた事例
高松高等裁判所判決/昭和50年(ネ)第226号
昭和52年5月31日
損害賠償請求控訴事件
【判示事項】 内航海運業者の無資格者に対する名義貸し等に関する契約が公序良俗に反して無効であるとされた事例
【判決要旨】 内航海運業法3条1項の許可を受けていない者Aが、無許可で内航海運業を営むことを企て、右許可を得ている内航海運業者Yの了解を得てY名義により自己の費用で船舶甲丸を建造したが、右許可の資格を取得できるまでの間Y名義で内航海運業を営むことを目的とし、Yとの間で、甲丸をY名義で登記登録すること、1年後に甲丸の所有権をYからA又はその指定する者に譲渡すること、甲丸運航上の債務、海難海損及び利益はAに帰属すること、Aは甲丸の損害保険に加入しその保険料を支払うこと、等を内容とする契約を締結したが、右契約は、内航海運業法が刑罰をもって禁止した行為(同法30条1、2号、3条1項、15条参照)を行うことを目的とするもので、公序良俗に反して無効であり、後日Aが右事業のために設立したX会社に対して内航船舶貸渡業の許可があったとしても、既往に遡って有効となる筋合ではない。
【参照条文】 民法90
内航海運業法3-1
内航海運業法15
【掲載誌】 金融・商事判例537号49頁