マネージャー職は、タイムカードの打刻が免除されていたとはいえ、労働時間の自由裁量権がなく、経営者と一体的な立場で重要な職務と責任を負担していたとはいえず、労働基準法41条2号の「監督もしくは管理の地位にある者」には該当しないとして、マネージャー職を割増賃金支給の対象から除外すべきではないとされた例
大阪高等裁判所判決/平成8年(ネ)第3740号、平成8年(ネ)第3741号
平成12年6月30日
各時間外割増賃金請求控訴事件
【判示事項】 1 割増賃金等に時効消滅を認めることにつき、時効の援用が信義則に反し権利の濫用に当たるとはいえないとして、割増賃金が時効により一部消滅しているとされた例
2 会社は、本件就業規則および給与規程を労働基準監督署長に提出し、これを下回る内容の労働契約を行わない旨誓約しながら、給与規程が実体を反映せずに無効であるとか労働者への周知を欠いて無効であると主張することは許されないとして、労働者らの本件給与規程に基づく割増賃金請求権が認められた例
3 タイムカードで把握される労働時間は本件給与規定上の労働時間と見なされるべきであるとされた例
4 マネージャー職は、タイムカードの打刻が免除されていたとはいえ、労働時間の自由裁量権がなく、経営者と一体的な立場で重要な職務と責任を負担していたとはいえず、労働基準法41条2号の「監督もしくは管理の地位にある者」には該当しないとして、マネージャー職を割増賃金支給の対象から除外すべきではないとされた例
5 上記の者らの時間外労働がなされたことが確実であるのに、タイムカードがなく、正確な時間を把握できないという理由のみから全面的に割増賃金を否定することは不公平であるとして、同人ら主張の時間外労働時間の2分の1について労働したものと推計された令
6 出張日当および会議手当が時間外労働に対する割増賃金の性格を持つとするには疑問があるとして、これらを割増賃金から控除の対象とすべきではないとされた例
7 確実に労働基準法上の労働時間を充たしていると認められる部分には付加金を認めるべきであるとされた例
【掲載誌】 労働判例792号103頁