取締役の労働者性の判断基準につき,会社の指揮監督の下で労務を提供していたかどうか,報酬の労働対価 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

取締役の労働者性の判断基準につき,会社の指揮監督の下で労務を提供していたかどうか,報酬の労働対価性,すなわち,報酬の支払方法,公租公課の負担等についての労基法上の労働者への該当事情の有無等を総合して判断するとされた例

 

東京地方裁判所判決/平成17年(ワ)第10328号

平成18年8月30日

地位確認等請求

【判示事項】    (1) 取締役の労働者性の判断基準につき,会社の指揮監督の下で労務を提供していたかどうか,報酬の労働対価性,すなわち,報酬の支払方法,公租公課の負担等についての労基法上の労働者への該当事情の有無等を総合して判断するとされた例

          (2) いわゆるワンマン経営の会社において,取締役であるとともに営業部長などをしていた者について,労働者性が認められた例

          (3) 原告による任期途中の取締役解任を理由とする商法257条1項ただし書に基づいた損害賠償請求が,本件取締役解任決議には「正当の事由」があるとして棄却された例

          (4) 取締役解任後になされたフリールポライターへの会社情報の提供等を理由とする懲戒解雇につき,人事異動の打診を契機とした会社および代表者への不満と糾弾のための報復措置と考えられ,不正の是正手段としての相当性も逸脱しているうえ,結果として会社に重大な信用上および経済上の不利益を与えていることから,有効とされた例

          (5) 取締役解任後本件懲戒解雇までの従業員としての賃金につき,原告が自宅待機を命じられている状況から労務の提供はあるものと考えられるとして,取締役就任前の月例給与を基礎とした金額の支払いが命じられた例

【掲載誌】     労働判例925号80頁