労働基準法上の管理監督者に該当するかどうかについては,①当該労働者が実質的に経営者と一体的な立場 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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労働基準法上の管理監督者に該当するかどうかについては,①当該労働者が実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職務と責任,権限を付与されているか,②自己の裁量で労働時間を管理することが許容されているか,③給与等に照らし管理監督者としての地位や職責にふさわしい待遇がなされているかという観点から判断すべきであるとの1審判断が維持された例

 

東京高等裁判所判決/平成29年(ネ)第4740号、平成30年(ネ)第254号

平成30年11月22日

未払賃金等請求控訴・同附帯控訴事件

【判示事項】    1 労基法41条2号は,いわゆる管理監督者に対しては同法の定める労働時間,休憩および休日に関する規定を適用しないものとしているところ,これは,管理監督者については,その職務の性質や経営上の必要から,経営者と一体的な立場において,労働時間,休憩および休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されるような重要な職務と責任,権限を付与され,実際の勤務態様も労働時間等の規制になじまない立場にある一方,他の一般の従業員に比して賃金その他の待遇面でその地位にふさわしい優遇措置が講じられていることや,自己の裁量で労働時間を管理することが許容されていることなどから,労基法の労働時間等に関する規制を及ぼさなくてもその保護に欠けるところはないと考えられることによるものであるとの1審判断が維持された例

2 労基法上の管理監督者に該当するかどうかについては,①当該労働者が実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職務と責任,権限を付与されているか,②自己の裁量で労働時間を管理することが許容されているか,③給与等に照らし管理監督者としての地位や職責にふさわしい待遇がなされているかという観点から判断すべきであるとの1審判断が維持された例

3 管理監督者は,労働時間等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有する者であるから,経営者と一体的な立場にある者かどうかを判断するに当たっては,損益管理,施設・設備管理,営業管理などの労務管理以外の事項に関する権限の広狭も踏まえて,労働時間等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有する立場にあったか否かを検討すべきであるとされた例

4 被控訴人・附帯控訴人(1審原告)Xの職責や権限,勤務態様や待遇等に照らせば,Xが労基法41条2号に定める管理監督者の地位にあったと認めることはできないから,支店長職およびマネージャー職のいずれの立場にあった時についても,時間外労働および休日労働に対する割増賃金が支払われるべきであるとされた例

5 労基法114条は,使用者に同法違反行為に対する制裁を科すことにより,将来にわたって違法行為を抑止するとともに,労働者の権利の保護を図る趣旨で設けられたものであり,付加金について裁判所が支払いを命じることができる旨が規定されていることからすると,使用者による同法違反の程度や態様,労働者が受けた不利益の性質や内容,前記違反に至る経緯やその後の使用者の対応などの諸事情を考慮して,支払いの要否および金額を検討するのが相当であるとの1審判断が維持された例

【参照条文】    労働基準法37-1

          労働基準法41

          労働基準法13

          労契法12

【掲載誌】     判例時報2429号90頁

          労働判例1202号70頁