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債務者に対する破産手続開始の申立てをした債権者の債権が債権譲渡を受けた債権であってその名目額が債務者の資産額を上回る場合と破産原因の有無(積極)

 

福岡高等裁判所決定/平成23年(ラ)第58号

平成23年3月16日

破産手続開始決定に対する即時抗告事件

【判示事項】    1 債務者に対する破産手続開始の申立てをした債権者の債権が債権譲渡を受けた債権であってその名目額が債務者の資産額を上回る場合と破産原因の有無(積極)

2 債務者に対する破産手続開始の申立てをした債権者の債権が債権譲渡を受けた債権であってその購入額を上回る債権回収をしている場合と申立ての適否(積極)

【参照条文】    破産法15

          破産法16

          破産法30

          債権管理回収業に関する特別措置法

【掲載誌】     判例タイムズ1373号245頁

【解説】

 1 事案の概要

 本件は,いわゆる「債権者の申立て」に基づき破産手続開始決定を受けた「債務者」が同決定に対する即時抗告を申し立てた事案であって,当該原決定に係る破産手続開始申立事件(基本事件)の申立人は,A(株式会社十八銀行)のY(株式会社丸2タクシー)に対する本件各貸付債権の譲渡を受けたB(オリックス株式会社)から当該各貸付金債権の管理回収の委託を受けたX(オリックス債権回収株式会社),破産手続開始決定を受けた債務者は,Yである。

 2 事実関係の概略

 (1) 本件各貸付債権とその譲渡

 Aは,Yに対し,貸付金合計22億8500万円の各貸付債権を有していたが,平成19年3月30日,その残元金合計12億6978万6000円の各貸付債権をBに譲渡した。当該債権譲渡に係る各貸付債権が本件各貸付債権である。

 (2) 基本事件の申立てと原決定

 Bから本件各貸付債権の管理回収を委託されたXは,Yに対する破産手続開始決定を求める基本事件を申し立てたところ,破産裁判所である原審は,要するに,①Yに破産法15条2項,16条1項所定の破産手続開始の原因,すなわち,破産原因の疎明(破産法18条2項)があるとし,②Xの申立てが同法30条1項2号に照らして不適法な申立てとして却下すベき場合に当たらないとして,Yに対する破産手続開始を決定した。これが原決定である。

 3 本決定の判断

 Yの抗告理由は,原決定の前記①及び②に関する判断の不当をいうものであるが,本決定は,原決定を相当として,Yの抗告を棄却している。