タクシー会社が,現行の初乗り運賃を継続して認可するよう運輸局に求めると共に,認可の期限切れを控え,国に対し,運輸局に認可申請の認可の義務付けを求めた訴訟において,認可しても運賃認可制度の運用に重大な混乱が生じるとは認められず,安価な運賃設定を困難にする運輸局の審査は許されないとして,仮の認可を命じた事例
福岡高等裁判所決定/平成22年(行ス)第6号
平成22年7月20日
仮の義務付け決定に対する抗告事件
【判示事項】 タクシー運賃の申請に対し,抗告人は,(1)初乗り運賃500円は自動認可運賃と大きく乖離していた,(2)実績年度の原価に利潤を加えたものを著しく下回っていた,(3)相手方は今後の収支を確実性をもって予測するに足りる過去の実績を有しなかった,等として,法にいう「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの」とはいえないとした処分行政庁の判断は合理的であると主張したが,判決は,(1)自動認可運賃から乖離しているからといって,法に適合しないと推認することはできない,(2)開業後間もない相手方タクシー業者の運送収入からは相当程度乖離する実績値を算定の基礎に加え,相手方から提出された実績値を算定の基礎に加えない処分行政庁の運送収入査定方法は不合理である,(3)タクシー業を営むようになって1年が経過していなかった事業者が,過去の実績を有しないのは当然である,等として,原決定を相当と認め,抗告を棄却した。
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載