被告Y1社が,同社のタクシー運転手であった原告Xに無断で,第三者(Xの乗客)に対し,同人の携帯電話番号を伝えた情報提供行為につき,会社は,原則として,業務上知り得た従業員の個人情報について,みだりに第三者に提供することは許されないとされ,Y1社のかかる行為はXの「個人情報に係る法的利益ないしプライバシー権を侵害する不法行為」であるとして,繰り返しクレーム電話の嫌がらせを受けたことによる精神的苦痛に対する慰謝料30万円が認められた例
大阪地方裁判所判決/平成20年(ワ)第1421号
平成21年10月16日
損害賠償等請求事件
【判示事項】 1 被告Y1社が,同社のタクシー運転手であった原告Xに無断で,第三者(Xの乗客)に対し,同人の携帯電話番号を伝えた情報提供行為につき,会社は,原則として,業務上知り得た従業員の個人情報について,みだりに第三者に提供することは許されないとされ,Y1社のかかる行為はXの「個人情報に係る法的利益ないしプライバシー権を侵害する不法行為」であるとして,繰り返しクレーム電話の嫌がらせを受けたことによる精神的苦痛に対する慰謝料30万円が認められた例
2 Xと第三者(未成年者)との交通事故の処理に関し,Y1社の担当者が,お互いの損害を自己負担する処理をしたことにつき,Xはその担当者から本件事故の処理内容について聞いたうえで同処理内容について了解していたと認められるとして,車両修理費等にかかる損害賠償金相当額の支払請求が退けられた例
3 月々の給与支払いに関して,「経費」も含めた一括支払いの方法がとられていたにもかかわらず,Y1社がXの給与を退職月のみ「経費」を差し引いて支払ったことにつき,月間経費は最終的にはXがY1社に対して支払義務を負うものであり,差引支払処理により特段の不利益が生じたとはいいがたく,またXはすでにY1社を退職し従前の処理を行う合理的な理由がなくなっているとして,差し引かれた金員の支払請求が退けられた例
4 業務用車両に取り付けていたX所有のカーナビ等を,被告Y2社が取り外した際に紛失したことにつき,それらを適正に保管し,返還する義務を負っていたとして,購入代金相当額の損害賠償請求が認められた例
【掲載誌】 労働判例1001号66頁