大阪高等裁判所判決/昭和45年(ネ)第196号
昭和51年2月19日
土地建物移転登記抹消登記手続等、土地建物所有権移転仮登記手続(反訴)、土地建物所有権移転本登記手続承諾請求控訴事件
【判示事項】 司法書士法9条に違反する行為が無効とされた事例
【判決要旨】 司法書士法9条に違反する行為が、ただちに当然にその効力を否定されるものではないが、判示各事実が認められる本件売買契約はいわゆる公序良俗に違反し、無効である。
【参照条文】 司法書士法9
【掲載誌】 判例タイムズ338号184頁
金融・商事判例499号26頁
判例時報816号57頁
【解説】
本件は、被控訴人(第1審原告)が、本件不動産につきなされている控訴人(第1審被告)の所有権移転の本登記は被控訴人の本件仮登記より後順位であることを理由に、控訴人に対し、被控訴人が本件仮登記に基づき所有権移転の本登記をするにつき承諾することを求めた事案で、原審では第1審原告が勝訴した。
控訴人は、当審で事実摘示のとおり、新たに多くの抗弁を主張したが、そのうちの1つに司法書士法9条違反を理由に仮登記の原因である売買の無効を主張した。
本判決は、これに対し、司法書士法9条違反を認め、その行為の効力につき、最高裁昭和46年4月20日第2小法廷判決(民集25巻3号290頁)をふまえて、判示のとおり事実関係が認められる本件にあつては、本件仮登記原因たる売買契約は公序良俗に違反する特段の事情が存するもので無効であると判断した。
司法書士法9条に違反する場合で、しかもその行為が特段の事情により無効と認められた極めて珍らしい事案として参考となろう。