公証人は遺言者が自ら署名することが可能か否かの判定権能を有する | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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東京高等裁判所判決/昭和62年(ネ)第920号

昭和63年1月28日

遺言無効確認請求控訴事件

【判示事項】    1、公正証書遺言の証人が押捺する印鑑は実印に限られない

2、公証人は遺言者が自ら署名することが可能か否かの判定権能を有する

【判決要旨】    1 公正証書遺言の証人となるべき者の押捺する印鑑は、実印であることを要しない。

2 遺言者が製材用の丸のこで右手と親指と小指の各爪から先と人差指、中指および薬指の各第2関節付近から先を切断し、その後左手で文字を書く練習をしなかったため、公正証書作成当時自己の氏名を署名することができないと述べて、右手を公証人に差し出した場合に、公証人がこの事実を知見して遺言者が公正証書に署名することができないと認めたときは、民法969条4号但書にいう「遺言者が署名することができない場合」に当たるというべきである。

【参照条文】    民法969

          民法974

          公証人法28-2

【掲載誌】     判例タイムズ672号198頁

          金融法務事情1207号31頁