東京地方裁判所判決/平成14年(ワ)第16965号、平成14年(ワ)第24228号
平成15年10月9日
地位確認等請求事件、損害賠償請求事件
【判示事項】 (1)労務供給契約が委任契約ではなく,雇用契約の実質を持つとされた事例,(2)就業規則に基づく懲戒解雇としての雇用契約の解除が,弁明の機会を与えずになされた重大な手続違反があり無効とされた事例,(3)賃金等の過払いによる不当利得返還請求を認めた事例
本訴事件は,本訴被告(反訴原告・以下,「被告」という。)の理事兼事務局長であった本訴原告(反訴被告・以下,「原告」という。)が,被告に対し,①被告がした懲戒解雇は無効であると主張して,労働契約上の地位の確認及び未払賃金(同解雇前のものも含む。),②同解雇及び被告が原告を被告訴人として行った刑事告訴等の不法行為に基づく損害賠償,③書籍の編集等についての委任契約に基づく未払報酬を求めた事案である。
反訴事件は,被告が,原告に対し,原告がその職務権限を濫用して不正行為を行ったと主張して,不法行為に基づく損害賠償または不当利得の返還を求めた事案である。
ア 原告(昭和9年○月○日生まれ)は,高校卒業後,厚生省(現在の厚生労働省)において勤務し,昭和49年3月28日に被告の理事兼事務局長に,昭和60年6月7日に専務理事に,それぞれ就任した(甲14,原告本人,弁論の全趣旨,一部争いなし)。
イ 被告は,昭和48年9月1日に調理師養成施設の管理運営及び施設の改善向上に関する事業等を行う目的で設立された厚生労働省所管の社団法人であり,全国にある約200の調理師養成施設によって組織され,全国7ブロックの各地区から選出された理事によって運営されており,各理事には主として専門学校として組織運営されている調理師養成施設の経営者が就任している。
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載