最高裁判所第2小法廷判決/平成9年(オ)第218号
平成10年3月13日
遺言無効確認等請求事件
【判示事項】 1 公正証書遺言において証人が遺言者の署名押印に立ち会うことの要否
2 遺言者の押印の際に2人の証人のうち1人の立会いなく作成された遺言公正証書につきその作成の方式に瑕疵があるがその効力を否定するほかはないとまではいえないとされた事例
【判決要旨】 1 公正証書遺言において、証人は、遺言者の署名押印に立ち会うことを要する。
2 公正証書遺言において、遺言者が、証人甲乙の立会いの下に、遺言の趣旨を口授しその筆記を読み聞かされた上で署名をしたところ、印章を所持していなかったため、約1時間後に、甲のみの立会いの下に、再度筆記を読み聞かされて押印を行ったが、乙は、その直後ころ、公証人から完成した遺言公正証書を示されて右押印の事実を確認したのであって、この間に遺言者が従前の考えを翻し、又は右遺言公正証書が遺言者の意思に反して完成されたなどの事情は全くうかがわれないなど判示の事実関係の下においては、右遺言公正証書の作成の方式には瑕疵があるというべきであるが、その効力を否定するほかはないとまではいえない。
【参照条文】 民法969
公証人法2
【掲載誌】 家庭裁判月報50巻10号103頁
最高裁判所裁判集民事187号429頁
裁判所時報1215号53頁