労基法32条の2の1か月単位の変形労働時間制の定めは,就業規則等において変形期間内における毎労働日の労働時間を特定するか,少なくとも始業,終業の時刻を異にするいくつかの労働パターンを設定して勤務割がその組合せのみで決まるようにすべきであり,法定労働時間を超える日や週をいつにするか,その日,週の労働時間を何時問にするかについて使用者が無制限に決定できる定めは,同条が求める「特定された週」または「特定された日」の要件に欠ける違法,無効なものとされた例
仙台高等裁判所判決平成13年8月29日
未払賃金等請求控訴事件
【判示事項】 1 労基法32条の2の1か月単位の変形労働時間制の定めは,就業規則等において変形期間内における毎労働日の労働時間を特定するか,少なくとも始業,終業の時刻を異にするいくつかの労働パターンを設定して勤務割がその組合せのみで決まるようにすべきであり,法定労働時間を超える日や週をいつにするか,その日,週の労働時間を何時問にするかについて使用者が無制限に決定できる定めは,同条が求める「特定された週」または「特定された日」の要件に欠ける違法,無効なものとされた例
2 使用者が就業規則の各規定に従って勤務割表を作成し,これを事前に従業員に周知させただけでは,労基法32条の2の「特定された週」または「特定された日」の要件を充足するものではないとされた例
3 いったん特定された労働時間の変更に関する条項は,労働者からみて予測可能な程度に変更事由を具体的に定めることを要するとされた例
4 特定の日または特定の週の労働時間の短縮,もしくは延長につき,会社が任意に決定し変更することができるとする本件就業規則の規定につき,労基法上の制度趣旨に合致せず前記要件に欠ける違法,無効なものとした1審判決が相当とされた例
【掲載誌】 労働判例810号11頁