大阪高等裁判所判決/昭和31年(ネ)第1079号
昭和36年8月9日
約束手形金請求控訴事件
【判示事項】 協同組合が理事に対する旧債務支払のため理事会の承認を得ないで振り出した約束手形の効力
【掲載誌】 下級裁判所民事裁判例集12巻8号1827頁
判例タイムズ122号75頁
判例時報279号15頁
【解説】
中小企業等協同組合法第38条には、「理事は、理事会の承認を受けた場合に限り、組合と契約することができる。……」とあるので、組合が理事から金を借りたとすれば、理事会の承認をへないかぎり、消費貸借契約は無効である。
しかし、本件における債権者は、貸借当事は理事でなかったのであるから、たとえ、本件で問題となっている手形が、その債権者が債務者組合の理事に就任した後に振り出されたものであるにしても、その旧債務支払のため振り出されたものである以上、その効力に影響がないとするものである。
また、本件手形は書替手形であるが、基本手形については承認の必要がないのであるから、書替手形についても同様であるべきである、とも言っている。
手形振出行為の法律的性質と、中小企業等協同組合法の前記の規定の趣旨とを考え合わせて、検討を要する点ではあろうが、判旨は正当であると思われる。