国税犯則取締法に基づいて犯則嫌疑者の取引金融機関において差し押さえた多数の帳簿書類等の中に相当の | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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国税犯則取締法に基づいて犯則嫌疑者の取引金融機関において差し押さえた多数の帳簿書類等の中に相当の時間をかけて平穏な状況の下で差押物件の選別を行うことができたならば犯則事実との関連性ないし差押えの必要性がないという判断をすることが可能な物件が含まれていたとしても右差押えに違法がないとされた事例

 

最高裁判所第2小法廷判決/平成4年(行ツ)第128号

平成9年3月28日

国税犯則取締法第2条に基づく差押許可状の取消請求等、損害賠償請求、行政事件訴訟法第19条による請求の追加的併合事件

【判示事項】    国税犯則取締法に基づいて犯則嫌疑者の取引金融機関において差し押さえた多数の帳簿書類等の中に相当の時間をかけて平穏な状況の下で差押物件の選別を行うことができたならば犯則事実との関連性ないし差押えの必要性がないという判断をすることが可能な物件が含まれていたとしても右差押えに違法がないとされた事例

【判決要旨】    所得税法又は法人税法の犯則嫌疑者が所得を隠ぺいするためにしていた疑いがある仮名預金の存在と帰属を確定するために取引金融機関の調査が必要であったにもかかわらず、右金融機関は、収税官吏による任意調査に対し、犯則嫌疑者に帰属することが疑われる他人名義の預金に係る預金元帳、貸付金元帳、伝票等については、調査対象となる預金名義が具体的に特定されていた場合ですら提出を拒否し、右金融機関に対して行われた国税犯則取締法に基づく捜索、差押えに際しては、職員や部外者によって、収税官吏に対して暴行が加えられるなどの激しい妨害行為が繰り返され、負傷した者まであり、収税官吏が犯則嫌疑者に帰属する仮名預金を解明する手掛かりとなり得る文書等を十分に選別することは不可能であった上、収税官吏は、差し押さえた物件について、直ちに選別作業を行い、差し支えのない限り速やかにこれを還付したなど判示の事実関係の下においては、差し押さえられた多数の帳簿書類等の中に相当の時間をかけて平穏な状況の下で差押物件の選別を行うことができたならば犯則事実との関連性ないし差押えの必要性がないという判断をすることが可能な物件が含まれていたとしても、右差押えを違法ということはできない。

【参照条文】    国税犯則取締法2

          憲法35

          国家賠償法1-1

【掲載誌】     訟務月報44巻8号1303頁

          最高裁判所裁判集民事182号855頁

          裁判所時報1192号142頁

          判例タイムズ946号119頁