信用組合の両建預金を条件とした貸付が独禁法19条に違反するとされるも民法91条、90条には違 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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信用組合の即時両建預金を条件とした貸付が独禁法19条に違反するとされるも民法91条、90条には違反しないとされた事例

 

最高裁判所第2小法廷判決/昭和48年(オ)第1113号

昭和52年6月20日

『昭和52年重要判例解説』経済法事件

金銭消費貸借契約無効確認請求事件

【判示事項】    1、信用組合の即時両建預金を条件とした貸付が独禁法19条に違反するとされるも民法91条、90条には違反しないとされた事例

2、即時両建預金を条件とした貸付において実質金利等が利息制限法所定の利率を超過する場合と利息制限法の適用

【判決要旨】    1、信用組合が、顧客との間で750万円及び400万円の消費賃借契約をなし、同時に200万円及び400万円の預金契約をなし、右預金に担保権を設定するなどして顧客にいわゆる拘束された即時両建預金をさせた場合において、実質貸付額550万円に対する十分な人的及び物的担保があるのに、右即時両建預金が全貸付額1150万円の約52パーセントに達し、貸付利息から預金利息を控除した実質的な利息の実質貸付額に対する割合である実質金利が1割7分1厘8毛余であって利息制限法1条1項所定の利率を超過するなどの事情があるときには、信用組合が実質貸付額の貸付契約をするにあたり不法に高い金利を得る目的で600万円の超過貸付契約及び同額の即時両建預金契約を取引条件として附したものというべきであり、右取引条件は、昭和28年公正取引委員会告示第11号10の取引条件にあたり、信用組合は、貸付につき私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律19条にいう不公正な取引方法を用いたものにあたるというべきであるが、同条に違反した契約の私法上の効力については、その契約が公序良俗に反する格別の場合を除き直ちに無効であると解すべきではなく、また判示事情のもとでは、右契約はいまだ民法90条にいう公序良俗に反するということはできない。

2、即時両建預金条件とする貸付において実質金利及び遅延損害金の実質的割合が利息制限法所定の利率、割合を超過する結果を生じている場合は、その超過部分は同法の法意に照らして違法なものとして是正されるべきであり、即時両建預金が存在しているため実質金利及び遅延損害金の実質的割合が同法に違反する結果を生じている期間中、利率及び遅延損害金の割合に関する約定の一部が無効になるものとし、右超過部分は貸付元本責務に充当されたものと解すべきである。

【参照条文】    私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律19

          私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2-7

          昭和28年公正取引委員会告示第11号10

          民法91

          民法90

          利息制限法1-1

          利息制限法2

          利息制限法4-1

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集31巻4号449頁

          最高裁判所裁判集民事121号17頁

          裁判所時報717号1頁

          判例タイムズ349号192頁

          金融・商事判例523号7頁