旧経営陣による粉飾を手助けしたとして,被控訴人が,経営コンサルティング会社を営む控訴人らに対し,損害賠償請求した事件
東京高等裁判所判決/平成28年(ネ)第2636号、平成28年(ネ)第4307号
平成29年6月15日
オリンパス事件
損害賠償請求控訴,同附帯控訴事件
【判示事項】 旧経営陣による粉飾を手助けしたとして,被控訴人が,経営コンサルティング会社を営む控訴人らに対し,主位的に,①ベンチャー企業3社の株式の取得原価と被控訴人側の購入価格の差額分及び②被控訴人が有価証券報告書虚偽記載の罪に問われて納付した罰金及び課徴金のうち,これら損害金の一部請求として金員の支払を求め,予備的に,ファンド管理手数料等として控訴人らにこれまで支払った費用等に②の罰金及び課徴金相当額を加えた金員のうち,同じく一部請求として金員の支払を求めた事案の控訴審(被控訴人は一部請求の金額を倍額に増額する旨附帯控訴)。
裁判所は,控訴人らも被控訴人の損失隠しの事実を認識してこれに関与したとして共同不法行為の成立を認めたが,罰金を損害として許容することは刑罰を転嫁するに等しいなどとして,主位的請求を認めた原判決を変更して,主位的請求を棄却し,予備的請求のうち,ファンド管理費用として支払った費用を相当因果関係のある損害と認め,増額した一部請求を認容した事例
【参照条文】 民法709
民法719-2
刑法9
刑法15
刑事訴訟法491
刑事訴訟法492
金商法185の7-1
【掲載誌】 判例時報2388号84頁
主 文
1 控訴人らの本件控訴及び被控訴人の本件附帯控訴に基づいて,原判決を次のとおり変更する。
2 被控訴人の主位的請求をいずれも棄却する。
3 控訴人らは,被控訴人に対し,連帯して,10億円及びこれに対する平成25年8月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は,第1審及び第2審とも控訴人らの負担とする。
5 この判決は,第3項に限り,仮に執行することができる。