労働大臣が石綿製品の製造等を行う工場又は作業場における石綿関連疾患の発生防止のために労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)に基づく省令制定権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
最高裁判所第1小法廷判決/平成26年(受)第771号
平成26年10月9日
『平成26年重要判例解説』行政法事件
損害賠償請求事件
【判示事項】 労働大臣が石綿製品の製造等を行う工場又は作業場における石綿関連疾患の発生防止のために労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)に基づく省令制定権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例
【判決要旨】 石綿製品の製造等を行う工場又は作業場の労働者が石綿の粉じんにばく露したことにより石綿肺等の石綿関連疾患にり患した場合において,昭和33年当時,①石綿肺に関する医学的知見が確立し,国も石綿の粉じんによる被害の深刻さを認識していたこと,②上記の工場等における石綿の粉じん防止策として最も有効な局所排気装置の設置を義務付けるために必要な技術的知見が存在していたこと,③従前からの行政指導によっても局所排気装置の設置が進んでいなかったことなど判示の事情の下では,石綿に関する作業につき局所排気装置の設置の促進を指示する通達が発出された同年5月26日以降,労働大臣が労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)に基づく省令制定権限を行使して罰則をもって上記の工場等に局所排気装置を設置することを義務付けなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法である。
注、石綿とは、アスベスト。
【参照条文】 国家賠償法1-1
労働基準法1
労働基準法(昭47法57号改正前)42
労働基準法(昭47法57号改正前)43
労働基準法(昭47法57号改正前)45
労働安全衛生法22
労働安全衛生法23
労働安全衛生法27
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集68巻8号799頁
裁判所時報1613号214頁
判例タイムズ1408号32頁