抗告審において,被抗告人(子)が抗告人(母)に支払うべき扶養料の増額が認められた事例 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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札幌高等裁判所決定/平成26年(ラ)第90号

平成26年7月2日

扶養料審判に対する抗告事件

【判示事項】    抗告審において,被抗告人(子)が抗告人(母)に支払うべき扶養料の増額が認められた事例

【参照条文】    民法879

          家事事件手続法185

【掲載誌】     判例タイムズ1417号127頁

          判例時報2272号67頁

【評釈論文】    民商法雑誌152巻4~5号441頁

【解説】

 1 事案の概要

 母である抗告人は,子である被抗告人に対し,扶養料の支払を求める審判を申し立てた。抗告人は,生活費(月額)は27万6700円が必要であると主張して,生活費(月額)から国民年金及び厚生年金の支給合計額7万6725円(月額)を差し引いた19万9975円を扶養料として毎月支払うよう求め,被抗告人は,抗告人の生活費(月額)は16万1700円が妥当であると主張して,扶養料は月額8万4975円とすべきと主張した。

 原審は,抗告人の生活費として必要な額を月額16万5700円として,扶養料を月額9万円と定め,被抗告人にその支払を命じたところ,抗告人はこれを不服として即時抗告をした。

 抗告審は,扶養料の額は,抗告人の必要とする自己の平均的生活を維持するために必要な最低生活費から抗告人の収入を差し引いた額を超えず,かつ,被抗告人の扶養余力の範囲内の金額とするのが相当である旨判示した上,総務省統計局の家計調査報告をもとに抗告人の最低生活費を算出し,原審判を変更して,扶養料を月額11万円と定め,被抗告人にその支払を命じた。