主債務について債務免除を定めた更生計画の認可決定があった場合と更生手続参加により中断していた保証債務の消滅時効の進行開始の時期
最高裁判所第2小法廷判決/昭和52年(オ)第611号
昭和53年11月20日
【判示事項】 主債務について債務免除を定めた更生計画の認可決定があった場合と更生手続参加により中断していた保証債務の消滅時効の進行開始の時期
【判決要旨】 主債務について債務免除を定めた更生計画の認可決定があった場合には、更生手続参加により中断していた保証債務の消滅時効は、右認可決定が確定した時から更に進行を開始する。
【参照条文】 民法157-1
会社更生法5
会社更生法236
会社更生法240-2
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集32巻8号1551頁
最高裁判所裁判集民事125号691頁
裁判所時報753号1頁
判例タイムズ375号76頁
【解説】
訴外会社はX1X2(被上告人)に対し金銭債務を負担し、Y(上告人)は右債務につき訴外会社の保証人となっていたところ、訴外会社につき会社更生手続が開始され、X1X2は更生債権者又は更生担保権者として右債務を届け出て更生手続に参加した。
更生手続が進行した結果更生計画が作成されたが、右計画においては、X1X2の各債権についてはいずれもその一部を免除し、残部を分割弁済するものと定められ、右計画を認可する決定が確定した。
会社更生法240条2項によれば、更生計画は更生債権者、更生担保権者が更生会社の保証人に対して有する権利には影響を及ぼさない。
そこでX1X2がYに対し右免除部分について保証債務の履行を求めたのが本訴である。
Yは、抗弁として、X1X2が更生手続に参加したことにより更生法5条による時効中断の効果が生じ、右効果は民法457条1項により保証人たるYに及ぶとしても、更生法236条によれば更生計画は認可の決定の時から効力を生ずるものとされているので右決定の時に中断事由が終了し、時効が進行を開始するものと解すべきである、そうして本件では右認可決定から訴提起までに時効期間(5年)が経過し、消滅時効が完成している、と主張した。
原判決は、債務免除の効果が更生計画認可決定の時に生ずることはY主張のとおりであるが、右決定の確定までは免除された債権の運命は浮動状態にあるから右債権と更生手続との関係は断絶したとはいえないとの論拠により、認可決定の時ではなく右決定の確定時から時効が進行を開始するものと解し、Yの抗弁を排斥した。
本判決は、時効中断事由としての更生手続参加の法的性格に関する考察を前提としたうえ、原判決とほぼ同趣旨の理由により、その判断を支持した。