会社経営を巡る対立から解任された実質的な創業者の退職慰労金に関し、株主総会から委任を受けた取締役会から一任する旨再委任された代表取締役がなした支給決定について、功労加算をまったくしなかった点に裁量権の濫用逸脱の疑いがあるとされた例
名古屋地方裁判所判決/平成11年(ワ)第4093号
平成14年1月17日
退職慰労金請求事件
【判決要旨】 1 退職慰労金を株主総会の決議によらしめている商法269条の趣旨から、退職慰労金の決定を取締役会に委任あるいは代表取締役に再委任する場合には、その支給額が一義的に定まるものか、裁量の幅が相当狭いものでなければならず、内規が広範な裁量を認め、決定がその裁量権を逸脱ないし濫用して不当に低額の退職慰労金を決定した場合には、その決定は違法であり、不法行為を構成する。
2 突然の動議による取締役会決議により解任された代表取締役であった会社の創業者に対する退職慰労金の支給決定に関し、株主総会から委任を受けた取締役会から一任する旨再委任された次期代表取締役がなした功労加算をまったくしない旨の決定には、それまでの利害対立関係に鑑み、私情を交えた裁量権の逸脱ないし濫用の疑いがある。
【参照条文】 商法269
【掲載誌】 金融・商事判例1151号45頁