東京高等裁判所判決昭和61年3月25日
『昭和61年重要判例解説』民法事件
株券引渡等請求控訴事件
【判示事項】 1 株券返還債務の履行不能の場合における損害額
2 株券返還債務の履行不能後における新株引受権および配当金請求権の喪失による損害賠償請求の許否
【判決要旨】 1 株券返還債務の履行不能が生じた際に債務者にその後における株価の変動を予見しまたは予見しうべき特別の事情がない限り、右履行不能時における交換価格相当額が株券喪失よる通常損害である。
2 新株発行と株主に対する割当てが一般に予知されるときは当然にそれが株価に反映し、また、株式の取引価格中には当該株式に対する配当見込みが当然に織り込まれているから、特段の事情が認められない限り、新株引受権および配当金請求権喪失による損害賠償請求は許されない。
【参照条文】 民法416
【掲載誌】 金融・商事判例743号19頁
金融法務事情1136号37頁