全店一括順位付け方式による預貯金債権差押命令申立ての適否 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

最高裁判所第3小法廷決定平成23年9月20日

『民事執行・保全判例百選 3版』

債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件

【判示事項】 1 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定の有無の判断基準

2 大規模な金融機関の全ての店舗又は貯金事務センターを対象として順位付けをする方式による預貯金債権の差押命令の申立ての適否

【判決要旨】 1 債権差押命令の申立てにおける差押債権の特定は,債権差押命令の送達を受けた第三債務者において,直ちにとはいえないまでも,差押えの効力が上記送達の時点で生ずることにそぐわない事態とならない程度に速やかに,かつ,確実に,差し押さえられた債権を識別することができるものであることを要する。

2 大規模な金融機関の全ての店舗又は貯金事務センターを対象として順位付けをする方式による預貯金債権の差押命令の申立ては,差押債権の特定を欠き不適法である。

(1,2につき補足意見がある。)

【参照条文】 民事執行法143

       民事執行規則133-2

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集65巻6号2710頁