衆議院議員選挙が違憲の議員定数配分規定に基づいて行われた場合において選挙無効の請求を棄却するとともに主文において当該選挙が違法である旨を宣言すべきものとされた事例、1票の格差
最高裁判所大法廷判決昭和60年7月17日
『昭和60年重要判例解説』憲法事件
選挙無効請求事件
昭和58年12月施行の衆議院議員選挙の議員定数の配分の選挙違憲違法宣言大法廷判決
【判示事項】 一 公職選挙法13条1項、同法別表第1、同法附則7項ないし9項の衆議院議員の議員定数配分規定の合憲性
二 衆議院議員選挙が違憲の議員定数配分規定に基づいて行われた場合において選挙無効の請求を棄却するとともに主文において当該選挙が違法である旨を宣言すべきものとされた事例
【判決要旨】 一 公職選挙法13条1項、同法別表第1、同法附則7項ないし9項の衆議院議員の議員定数配分規定は、昭和58年12月18日施行の衆議院議員選挙当時、全体として憲法14条1項に違反していたものである。
二 衆議院議員選挙が憲法14条1項に違反する議員定数配分規定に基づいて行われたことにより違法な場合であっても、選挙を無効とする結果余儀なくされる不都合を回避することを相当とする判示のような事情があるときは、いわゆる事情判決の制度の基礎に存するものと解すべき一般的な法の基本原則に従い、選挙無効の請求を棄却するとともに主文において当該選挙が違法である旨を宣言すべきである。
(二につき、補足意見及び反対意見がある。)
【参照条文】 憲法14-1
公職選挙法13
公職選挙法別表1
公職選挙法附則7
公職選挙法附則8
公職選挙法附則9
公職選挙法204
公職選挙法205-1
行政事件訴訟法31-1
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集39巻5号1100頁