最高裁判所第2小法廷判決昭和62年2月20日
『昭和62年重要判例解説』商法事件
保険金請求事件
【判示事項】 自家用自動車保険普通保険約款所定の対人事故通知義務の懈怠の効果
【判決要旨】 自家用自動車保険の保険契約者又は被保険者が保険者に対してすべき対人事故の通知を懈怠したときには保険者は原則として事故に係る損害を填補しない旨の普通保険約款の規定は、当該対人事故の通知義務の懈怠につき約款所定の例外的事由がない場合でも、保険契約者又は被保険者が保険金の詐取等保険契約上における信義誠実の原則上許されない目的のもとに通知を懈怠したときを除き、保険者において填補責任を免れうるのは通知を受けなかったため取得することのあるべき損害賠償請求権の限度においてであることを定めたものと解すべきである。
【参照条文】 商法658
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集41巻1号159頁