相手方が検査章の呈示を求めたのに対し、収税官吏がこれを携行していないか、または携行していても呈示しなかつた場合に、相手方はその検査を拒む正当な理由があると認むべきである。
最高裁判所第2小法廷判決昭和27年3月28日
公務執行妨害被告事件
【判示事項】 収税官吏が検査章を携帯せずにした物件検査行為とこれに対する公務執行妨害罪
【判決要旨】 (1) 相手方が検査章の呈示を求めたのに対し、収税官吏がこれを携行していないか、または携行していても呈示しなかつた場合に、相手方はその検査を拒む正当な理由があると認むべきである。
(2) 所得税法63条(旧法)により同条所定の物件を検査するにあたって検査章を携行していなかつたとしても、該検査行為は公務の執行であり、これに対して暴行または脅迫を加えたときは、公務執行妨害罪に該当する。
【参照条文】 所得税法63
所得税法70
所得税法施行規則63
刑法95-1
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集6巻3号546頁