宅配便の荷受人が運送会社に対して運送中の荷物の紛失を理由として運送契約上の責任限度額を超える損害 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第1小法廷判決平成10年4月30日

損害賠償請求、同附帯請求事件

『商法判例百選』有斐閣 2019

『平成10年重要判例解説』商法事件

【判示事項】 宅配便の荷受人が運送会社に対して運送中の荷物の紛失を理由として運送契約上の責任限度額を超える損害の賠償を請求することが信義則に反し許されないとされた事例

【判決要旨】 荷受人甲が、宅配便を利用して宝石類を送付することができないことを知りながら、荷送人乙が運送会社丙の宅配便を利用してダイヤモンド等を送付することを容認していたなど判示の事実関係の下においては、運送中の右ダイヤモンド等の紛失を理由として甲が丙に対し乙丙間の運送契約上の責任限度額30万円を超える損害の賠償を請求することは、信義則に反し、許されない。

【参照条文】 民法1-2

       民法91

       民法709

       商法577

       商法578

       商法580

       商法583

【掲載誌】  最高裁判所裁判集民事188号385頁

       裁判所時報1218号116頁

       判例タイムズ980号101頁

       金融・商事判例1050号33頁

       判例時報1646号162頁