明示的一部請求と残部についての消滅時効の中断 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第1小法廷判決平成25年6月6日

未収金請求事件

『平成25年重要判例解説』民事訴訟法1事件

【判示事項】 1 いわゆる明示的一部請求の訴えに係る訴訟において,債権の一部消滅の抗弁に理由があると判断されたため判決において上記債権の総額の認定がされた場合における,残部についての消滅時効の中断

2 いわゆる明示的一部請求の訴えの提起と残部についての裁判上の催告としての消滅時効の中断

3 消滅時効期間の経過後,その経過前にした催告から6箇月以内にした催告と消滅時効の中断

【判決要旨】 1 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示した訴えに係る訴訟において、債権の一部が消滅している旨の抗弁に理由があると判断されたため、判決において上記債権の総額の認定がされたとしても、当該訴えの提起は、残部について、裁判上の請求に準ずるものとして消滅時効の中断の効力を生ずるものではない。

2 数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起された場合、債権者が将来にわたって残部をおよそ請求しない旨の意思を明らかにしているなど、残部につき権利行使の意思が継続的に表示されているとはいえない特段の事情のない限り、当該訴えの提起は、残部について、裁判上の催告として消滅時効の中断の効力を生じ、債権者は、当該訴えに係る訴訟の終了後6カ月以内に民法153条所定の措置を講ずることにより、残部について消滅時効を確定的に中断することができる。

3 消滅時効期間が経過した後、その経過前にした催告から6カ月以内に再び催告をしても、第1の催告から6カ月以内に民法153条所定の措置を講じなかった以上は、第1の催告から6カ月を経過することにより、消滅時効が完成し、この理は、第2の催告が数量的に可分な債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起されたことによる裁判上の催告であっても異ならない。

【参照条文】 民法147

       民法149

       民事訴訟法147

       民法153

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集67巻5号1208頁