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刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に,当該写しにつき民事訴訟法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否

 

最高裁判所第3小法廷決定平成31年1月22日

『令和元年重要判例解説』民事訴訟法5事件

文書提出命令申立てについてした決定に対する抗告審の取消決定等に対する許可抗告事件

【判示事項】 1 刑事訴訟法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否

2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に,当該写しにつき民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否

【判決要旨】 1 刑訴法47条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書について文書提出命令の申立てがされた場合であっても,当該文書が民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書に該当し,かつ,当該文書の保管者によるその提出の拒否が,民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無,程度,当該文書が開示されることによる被告人,被疑者等の名誉,プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らし,当該保管者の有する裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用するものであるときは,裁判所は,その提出を命ずることができる。

2 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで,それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを,その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持し,当該写しについて文書提出命令の申立てがされた場合においては,当該原本を検察官が保管しているときであっても,当該写しが民訴法220条1号所定のいわゆる引用文書又は同条3号所定のいわゆる法律関係文書に該当し,かつ,当該都道府県による当該写しの提出の拒否が,民事訴訟における当該写しを取り調べる必要性の有無,程度,当該写しが開示されることによる被告人,被疑者等の名誉,プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らし,当該都道府県の有する裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用するものであるときは,裁判所は,その提出を命ずることができる。

【参照条文】 民事訴訟法220

       刑事訴訟法47

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集73巻1号39頁