年会費の定めのある預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産しても破産管財人が破産法59条1項により会員契約を解除することができないとされた事例
最高裁判所第3小法廷判決平成12年2月29日
『平成12年重要判例解説』民事訴訟法事件
【判示事項】 一 破産管財人が破産法59条1項に基づく解除権を行使することができない場合
二 年会費の定めのある預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産しても破産管財人が破産法59条1項により会員契約を解除することができないとされた事例
【判決要旨】 一 破産宣告当時双務契約の当事者双方に未履行の債務が存在していても、契約を解除することによって相手方に著しく不公平な状況が生じるような場合には、破産管財人は破産法59条1項に基づく解除権を行使することができない。
二 年会費の定めのある預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産した場合において、破産管財人が会員契約を解除すると、破産財団は殊更解除に伴う財産的な出えんを要しないのに、ゴルフ場経営会社は、ゴルフ場施設を利用可能な状態に保持しこれを会員に利用させなければならない状況に変化がないまま、据置期間内の預託金を即時返還しなければならず、両者の均衡を失しており、同会社が右の不利益を破産法60条により回復することは困難であり、年会費支払義務が会員契約において付随的なものにすぎないなど判示の事情の下では、右解除により同会社に著しく不公平な状況が生じるということができ、破産管財人は、同法59条1項により会員契約を解除することができない。
【参照条文】 破産法59-1
民法3編第2章契約
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集54巻2号553頁