郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めが労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるとされた事例

 

最高裁判所第2小法廷判決平成30年9月14日

日本郵便事件

『令和元年重要判例解説』労働法8事件

地位確認等請求事件

【判示事項】 1 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めが労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるとされた事例

2 郵政民営化法に基づき設立されて日本郵政公社の業務等を承継した株式会社がその設立時に定めた就業規則により同公社当時の労働条件を変更したものとはいえないとされた事例

3 期間雇用社員に係る有期労働契約が雇止めの時点において実質的に期間の定めのない労働契約と同視し得る状態にあったということはできないとされた事例

【判決要旨】 1 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めは、次の(1)、(2)など判示の事情のもとにおいては、労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものである。

       (1) 上記期間雇用社員の従事する業務は屋外業務、立った状態での作業、機動車の乗務、機械操作等であるところ、当該就業規則の定めは、高齢の期間雇用社員について、これらの業務に対する適性が加齢により逓減しうることを前提に、その雇用管理の方法を定めたものである。

       (2) 当該就業規則の定めの内容は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に抵触するものではない。

2 日本郵政公社の非常勤職員であった者が郵政民営化法に基づき設立されて同公社の業務等を承継した株式会社と有期労働契約を締結して期間雇用社員として勤務している場合において、当該株式会社は、当該株式会社が同公社とは法的性格を異にしていること、当該者が同公社の解散する前に同公社を退職していることなど判示の事情のもとにおいては、期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨をその設立時の就業規則に定めたことにより、同公社当時の労働条件を変更したものということはできない。

3 期間雇用社員に係る有期労働契約は、満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めが当該労働契約の内容になっていること、期間雇用社員が雇止めの時点で満65歳に達していたことなど判示の事情のもとにおいては、当該時点において、実質的に期間の定めのない労働契約と同視しうる状態にあったということはできない。

【参照条文】 労働契約法7

       高年齢者等の雇用の安定等に関する法律8

       高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9-1

       労働契約法10

       郵政民営化法167

       労働契約法19

【掲載誌】  最高裁判所裁判集民事259号89頁

       裁判所時報1708号1頁

       判例タイムズ1457号48頁

       判例時報2400号96頁

       金融法務事情2114号65頁

       労働判例1194号5頁