論評中の他人の著作物の引用紹介に適切を欠く部分があっても全体として正確性を欠くとまではいえないと | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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論評中の他人の著作物の引用紹介に適切を欠く部分があっても全体として正確性を欠くとまではいえないとして右論評に名誉毀損としての違法性があるということはできないとされた事例

 

最高裁判所第2小法廷判決平成10年7月17日

一審判決は『平成4年重要判例解説』憲法、無体財産権事件

雑誌「諸君!」反論文掲載等請求事件

反論文掲載等請求事件

【判示事項】 論評中の他人の著作物の引用紹介に適切を欠く部分があっても全体として正確性を欠くとまではいえないとして右論評に名誉毀損としての違法性があるということはできないとされた事例

【判決要旨】 他人の著作物に対する論評中に、右著作物の記述が第三者の談話をそのまま紹介したものではなく著作者自身の認識判断であるかのような適切を欠く引用紹介部分があっても、他の部分を併せて読むならば、右論評は専ら著作者が第三者の談話をその真偽を確認しないでそのまま紹介したことを批判するものであって、このことは右論評を通読する一般読者にとって明白であり、右適切を欠く引用紹介部分の内容が右批判の前提となっているわけでもないという事情の下においては、右著作物の引用紹介が全体として正確性を欠くとまではいえないから、右論評に名誉毀損としての違法性があるということはできない。

【参照条文】 民法709

       民法710

       刑法230の2-1

       著作権法20

【掲載誌】  最高裁判所裁判集民事189号267頁

       裁判所時報1223号170頁

       判例タイムズ984号83頁