「現代訴訟の論点と法理論の検討 3 信認関係に基づく説明義務」 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

論究ジュリスト(2017年夏号)№22

■座談会参加者(レギュラーメンバー) 研究者:道垣内弘人・山本和彦・小粥太郎/裁判官:岸 日出夫・山田真紀・朝倉佳秀・武部知子

(ゲスト山下純司)

 

信認義務は、法律の条文に基づくものではない。

英米法は、信認義務は、によって認められている。判例法の国では、判例は、条文と同じ意味を持つ。

日本の民法では、詐欺、錯誤、担保責任、委任契約などの規定から、情報提供義務・説明義務が導かれる。

消費者法や個別の業法(金融商品取引法、宅地建物取引業法など)から、情報提供義務・説明義務が認められることもある。

社会が複雑化・専門化した現代では、民法を改正して、情報提供義務・説明義務の条文を置くべきである。

英米法にならって、情報提供義務・説明義務が信認義務に基づくと主張しても、条文上の根拠が定かでないならば、その主張は根拠薄弱であろう。

B to B取引企業間取引訴訟)においては、情報提供義務・説明義務がないとする裁判例が複数存在する。

ことに、M&A、フランチャイズ契約、コンサルタント契約などで、その旨の裁判例がみられる。

しかし、売買において、売主は、売買の対象について、最もよく知っているのであるから、担保責任などが認められているのである。

売主に情報提供義務・説明義務を認めても、何の弊害もない。

悪意・有過失の買主保護しない。

善意の買主を犠牲にして、悪意・有過失の売主を保護する必要はない。

したがって、B to B取引においても、売主(供給者・受託者)側に、情報提供義務・説明義務を認めるべきである。