保険契約者兼保険金受取人が会社である生命保険契約の被保険金者を当該会社の取締役が故意に死亡させた場合に保険者が免責されないとされた事例
最高裁判所第1小法廷判決平成14年10月3日
『平成14年重要判例解説』商法6事件
保険金請求事件
【判示事項】 一 生命保険契約の被保険者を故意に死亡させた第三者の行為が保険契約者又は保険金受取人の行為と同一のものと評価される場合における保険者の免責
二 保険契約者兼保険金受取人が会社である生命保険契約の被保険金者を当該会社の取締役が故意に死亡させた場合に保険者が免責されないとされた事例
【判決要旨】 一 被保険者が保険契約者又は保険金受取人の故意により死亡した場合には死亡保険金を支払わない旨の生命保険契約上の免責条項は、被保険者を故意に死亡させた第三者の行為が、公益や信義誠実の原則に照らして保険契約者又は保険金受取人の行為と同一のものと評価される場合を含む。
二 生命保険契約の保険契約者兼保険金受取人である有限会社の代表取締役として同会社の業務のほとんどを支配していた被保険者を、その補助的性質の業務を担当していた代表権のない取締役が個人的動機によって故意に死亡させたなど判示の事実関係の下においては、上記取締役の行為をもって上記会社の行為と同一のものと評価することはできず、保険者は、被保険者が保険契約者又は保険金受取人の故意により死亡した場合に死亡保険金を支払わない旨の保険契約上の免責条項によって、免責されない。
(二につき反対意見がある。)
【参照条文】 商法680-1
民法91
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集56巻8号1706頁