最高裁判所第1小法廷判決平成16年6月10日
『平成16年重要判例解説』商法7事件
取立債権請求事件
【判示事項】 1 有限会社の破産宣告当時の取締役と火災保険契約の約款の免責条項所定の「取締役」
2 有限会社の破産宣告当時の取締役の放火による建物の焼失が火災保険契約の約款の免責条項所定の「取締役」の故意による事故招致に当たるとされた事例
【判決要旨】 1 有限会社の破産宣告当時の取締役は,火災保険契約の保険契約者又は被保険者が法人であるときはその取締役の故意等によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の約款の免責条項にいう「取締役」に当たる。
2 保険会社と有限会社との間で締結された火災保険契約の約款中に保険契約者又は被保険者が法人であるときはその取締役の故意等によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の免責条項がある場合において,当該有限会社が破産宣告を受けた後,破産宣告当時の取締役が保険の目的である建物に放火し,当該建物が焼失したという事実関係の下では,上記取締役の放火による建物の焼失は,上記免責条項にいう「取締役」の故意による事故招致に当たる。
【参照条文】 有限会社法32
商法254-3
商法641
商法665
民法91
民法653
破産法7
破産法(新法)78-1
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集58巻5号1178頁