最3小判平成22年4月13日民集64巻3号791頁 判タ1325号71頁 判時2082号49頁 税務訴訟資料260号順号11416
『平成22年重要判例解説』行政法3事件
都市計画法55条1項所定の事業予定地内の土地の所有者が具体的に建築物を建築する意思を欠き、都道府県知事等による当該土地の買取りが外形的に同法56条1項の規定による買取りの形式を採ってされたにすぎない場合には、租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの。以下同じ。)33条1項3号の3所定の「都市計画法56条1項の規定に基づいて買い取られ、対価を取得する場合」に当たるということはできず、当該所有者は当該買取りの対価につき租税特別措置法33条の4第1項1号所定の長期譲渡所得の特別控除額の特例の適用を受けることができない。
【参照条文】 都市計画法(平11法160号改正前)53-1
都市計画法(平12法73号改正前)54
都市計画法55-1、56-1
租税特別措置法(平14法15号改正前)31-1
租税特別措置法(平16法14号改正前)31-4、33-1 、33の4-1
差戻審である名古屋高判平成23年1月27日 税務訴訟資料261号順号11600 LLI/DB 判例秘書登載
【判示事項】 都市計画公園の事業予定地の指定を受けた土地を都市計画法56条1項に基づいて市に売却した対価について,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前)33条の4第1項1号による収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除が適用されるものとして確定申告をした者がした,前記売却は,前記特別控除の対象とならないとしてされた更正処分の取消請求が,棄却された事例
【判決要旨】 都市計画公園の事業予定地の指定を受けた土地を都市計画法56条1項に基づいて市に売却した対価について,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前)33条の4第1項1号による収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除が適用されるものとして確定申告をした者がした,前記売却は,前記特別控除の対象とならないとしてされた更正処分の取消請求につき,前記土地の所有者に具体的に建築物を建築する意思がなかったことは明らかであり,前記特別控除の適用を受けられるようにするため,形式的に建築許可申請等の手続をとったものにすぎないから,前記売却について前記特別控除の適用はないとした上,所轄税務署長が市と事前協議をし,前記特別控除が適用される旨の確認書を市に対して交付したことは,所轄税務署の担当者らは,都市計画法56条1項の買取手続が本来予定しない実質的な任意売買の方法によって買取手続を進めていることについて,事前協議の場その他において市側から説明を受けておらず,その実体を把握していなかったと認められることや,事前協議は法的な制度ではなく事実上の制度であり,前記特別控除の適用について所轄税務署長らの納税者に対する何らかの公的見解を表明し,これを伝達する趣旨を含むものと解するのは困難であることに照らせば,前記更正処分の信義則違反を問うべき特別の事情には当たるとはいえないとして,前記取消請求を棄却した事例