最高裁判所第2小法廷判決平成24年3月16日
第三者異議事件
『平成24年重要判例解説』民法3事件
【判示事項】 不動産の取得時効の完成後,所有権移転登記がされることのないまま,第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合における,再度の取得時効の完成と上記抵当権の消長
【判決要旨】 不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し、その期間の経過後に取得時効を援用したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者が上記不動産を時効取得する結果、上記抵当権は消滅する。
(補足意見がある)
【参照条文】 民法162
民法177
民法397
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集66巻5号2321頁
判例タイムズ1370号102頁
金融・商事判例1395号22頁
金融・商事判例1391号13頁
判例時報2149号68頁
金融法務事情1955号100頁
登記情報609号120頁