《毎月一回ある最近の避難訓練の実情は》
火事を想定した避難訓練は、どこから火が出たのかで使用できる階段の指示があり、校庭に避難する例が殆どである。
地震発生の訓練は机の下に潜ってから校庭に避難が多い。
消防署から起震車を借りて、代表の児童や時には6年生全員が体験する時もあった。
また、最近では津波発生で屋上に避難もあったように思う。
ただ、火事の際に非常ベルを鳴らして避難するとか、閉じてしまった防火扉の「くぐり戸」から避難するなどは計画されていない。
また、4階の児童が取り残されたので、救助袋から避難するなどの避難訓練も無かったと思う。
二次避難として学校から離れた場所に移動して避難することも無くなった。
代わって防災訓練と称して「ミサイルが飛んでくる」など、現実的でない訓練も「行政」からの指示で実施されている。
その他、保護者が学校に来て児童を引き取る訓練も、9月1日の防災の日に合わせて実施される。
《救助袋を使用した避難訓練は》
現役時代で避難訓練担当の時は、救助袋からの避難と発煙筒を使った避難訓練は必ず実施していた。
今では垂直式でらせん状に降りられる救助袋もあるが、20年前は斜めに傾斜を付けて避難するものが主だった。
4階の教室の窓側に取り付けてあり、実施する時は救助袋を担当する教員が最低3~4名は必要で、校庭側にはその倍以上の員数が必要となる。
校庭に避難した全校児童は、取り付け作業や4階から救助袋で避難する教員や児童を見ることで、疑似体験にもなっていた。
準備や時間と人手も必要だったし、給食調理師さん以外の教職員が総出で実施していた。
今では授業時数確保が優先され、避難訓練に多く時間を取られることを避けている傾向もあり、救助袋を使用する訓練は実施していない学校が多いと思う。
しかし垂直らせん式救助袋に取り換えれば、実施する学校も増えてくると思う。
《煙の怖さを体験できる発煙筒の避難訓練》
この訓練は非常に有意義だったと思っている。
いま時やっている学校は皆無と思うが、手順は
①砂を入れたバケツに二個
②発煙筒を二個用意する
発煙筒はマッチのように「頭薬」が付いており、「側薬」にこすり付けると着火して火と煙を激しく吐くので砂を入れたバケツに立てて使用する。
着火する担当者は防災ヘルメットを付けて、タオルで口を防ぐ準備をして行わないと大変なことになる。
階段の踊り場二か所に設置する。
煙が充満すると、階段が一段も見えなくなる。
煙で涙が出たり煙を吸ったり、一クラスが降りるのに時間がとてもかかる。
その間に煙が廊下に流れることもあるので、階段を下りて「煙」の怖さを体験させるため発煙筒は二個用意した。
600人ほどの全校児童は、2階、3階、4階から同じ一つの階段しか使えないことを想定して訓練した。
前が殆ど見えないのは担任の私でも恐怖だったし、児童の多くは「とても怖かった」「煙を吸った」「校庭に出られてほっとした」など感想があった。
しかし、この訓練は担任の多くから「前が全く見えなくて階段は危険すぎる」と云う意見も出て見直しを求められた。
私としては発煙筒の階段使用にこだわりもあったが、「廊下で発煙筒」を着火してそこを通らせる案にした。
翌年廊下で実施したが、児童は煙の怖さも充分体験できたし、こちらの準備も少なくて良かったと思った。
《火災の原因となった事例》
過去に火災の原因となった事例として、日光に当たった水の入ったペットボトルが凸レンズの役目になり紙を焼いて火災になったことの事例が新聞報道であった。
実体験としては、魚の飼育観察室のある学校に勤務していたとき、メダカなど飼育に使う空気を発生するポンプが、プラスチックの箱に入ったままになっていたため、熱をもってプラスチックが溶けて煙が部屋に充満した例もあった。
また、火災にはならなかったが、水を入れた電気ポットを通電したままにして二週間も放置されたことがあった。
三学期が始まる前日に理科室準備室に行くと、通電されたままの電気ポットが保温状態になっていた。
中を見たらお湯が半分くらい残っていた。
誰が使い忘れて放置したのか、該当する担任を調べて注意をしたことがあった。
これは日直が準備室の中まで鍵を開けて点検すれば、気付いたと思うが誰も確認してなかった。
もしお湯が空っぽになっていれば、ポットが溶けたりして火事になっていたかも知れない。
《終わりに》
今回の事件は音楽教諭の不注意と油断があったと思う。
電気ストーブやサーキュレーターは、音楽教諭の私物とも報道されているが、早朝出勤して金管バンド関係の洗濯物を乾燥していたことを、多くの教員や管理職は承知していたと思う。
音楽教諭の個人的な責任だけを追及するのは間違っていると思う。
ともあれ重大な結果を招いたことに学校関係者は、より一層安全管理に気を配る必要がある。
また、危険な薬品や火を使う理科や刃物を扱う家庭科や図工、ケガの多い体育など、小学校の教師は日々余裕がなく神経をすり減らす職業と云える。
事故など安全対策に関する情報共有も、「働き方改革」の一環で対面での会議を極力減らしている昨今、PC画面上の伝達が多くなり課題もある。
2026/7/5 <自立神経を回復中のデラシネ>




















