第100回箱根駅伝展望「シード権争い前編」 | BBGのブログ

BBGのブログ

ブログの説明を入力します。

第100回箱根駅伝展望企画、本日はシード権争いの「前編」をお届けします。

シード権争いを比較的有利に進めるであろうと思われる大学を合計7校選出いたしましたので、こちらも最後までご覧いただけると嬉しいです!


■第100回箱根駅伝展望「シード権争い前編」


前々回大会は総合2位、前回大会は総合5位と近年は上位進出が目立つ順天堂大学
しかし、今シーズンは出雲で10位・全日本で11位と苦しい戦いを強いられている。

その大きな要因は、これまでチームを牽引してきた「前4年生世代」の卒業にあるだろう。
前回大会も4年生5名がそれぞれ好走を見せた上での結果であり、彼らに代わる戦力の台頭が乏しい以上、今大会は残念ながら期待値を下げざるを得ない。

これが箱根ラストランとなる三浦龍司も、全日本では区間8位と精彩を欠く走りだった。
3000m障害の世界トップランナーとして各国を転戦し、来年はパリ五輪を控える彼に駅伝での奮闘を臨むのはもはや酷の一言。
厳しく言えば、その彼に主将というポジションを託した長門監督のチーム作りにも疑問は残る。
その分、彼に憧れて入部した「超スーパールーキー」の吉岡大翔に期待を懸けたい所だが、残念ながら秋のシーズンでは低調な結果が続いているのが現状だ。

このように、チーム状態が芳しいとは言い難いためここ数年の好成績を臨むのは難しいだろう。
シード権獲得を狙いつつも、出来れば吉岡以外の下級生にも多くの経験を積ませる大会としたい。


2年連続シード権獲得と好調を維持する法政大学も、今季は「前4年生」の穴埋めに苦しんだ。
全日本の関東予選では13位とまさかの予選落ちに終わり、出雲駅伝も9位と見せ場は作れずに終了。
しかし、そこからチームは急激に調子を上げ、10月に入ってから各選手の「自己新ラッシュ」が続いている。

特に喜ばしいニュースは出遅れが続いていたエース松永伶の復調であり、上尾ハーフでは3位入賞により来年の「ニューヨークシティハーフマラソン」への挑戦権も獲得。
前回大会で5区6区を走った細迫海気、武田和馬と共に重要な区間の配置に強みを抱えた陣容が出揃った。

脇を固める戦力も、派手さはないが粒ぞろいのメンバーが控えている。
近年は強度の高い練習をベースにシーズン終盤に調子を上げるのが「恒例」となりつつあり、チーム全体に「箱根駅伝へ向けてのノウハウ」が完成しつつあるのも大きなストロングポイントだろう。
目標に掲げる5位以内はややハードな設定ではあるものの、シード権獲得の有力候補であることは間違いない。


前回大会は10位、今シーズンも全日本を14位で終えるなど東洋大学は大きな過渡期を迎えている。
激しい強化合戦が続く「戦国駅伝」でライバル校に比べて遅れを取っているのが率直な現状だ。

特に今シーズンは主力選手に故障が相次ぎ、自己ベストを更新する選手も少ない一年だった。
全日本を欠場した松山和希、2大会それぞれを欠場となった佐藤真優と石田洸介らは戦列復帰を果たしたものの、あくまで復帰しただけに過ぎず本大会にベストな状態で臨めるかには不安が残る。
苦しい戦力でも箱根駅伝では勝負強さを発揮するのがこの大学の常ではあるが、連続でのシード権獲得へ向けて今季は最大の正念場となることは間違いない。

カギを握るのは、復権へ向けても重要な役割を担う緒方澪那斗や岸本遼太郎らの2年生世代になるだろう。
今大会のシード権獲得に限って見れば、候補者不在の5区6区をいかに乗り切るかがポイントとなる。


2年連続で予選会を首位通過し、11月の全日本でも7位に食い込みシード権獲得に成功。
大東文化大学は最高の状態で記念すべき100回大会を迎えようとしている。

昨年の真名子監督就任以降チームは劇的な変貌を遂げており、チーム全体がまさに右肩上がりの状態にあることは間違いない。
戦力の底上げが一気に進み、全日本でも出場8選手中7人が区間一桁順位でまとめるなど強化の成功が見事に結果となって現れた。

前回大会は2区でワンジルが区間最下位に終わるなど大苦戦したのも事実だが、ほぼ全ての選手が三大駅伝未経験だったあの時からチームは多くの経験値と自信を積み上げてきた。
前回大会で5区と6区を走り、一定の結果を残した菊池駿介と佐竹勇樹の存在も心強い。

100回大会を創立100周年という大学にとってもメモリアルイヤーで迎える今大会は、古豪復活へ向けての大きなターニングポイントとしたい所だ。


予選会は2位と危なげなく通過した明治大学だが、前回大会も同じように予選会を2位で突破しながら本大会ではシード圏外に沈んだ。
もはや明治大学にとってはこのパターンが「恒例」となっており、こうした結果から今大会でも厳しい結果を予想する声は強い。

しかし、今季の明治大学にとっての大きな収穫は「監督交代がありながらも結果を残した」という点にあるだろう。

夏合宿前に監督が交代するという異例の事態ながら、新監督の山本豪監督はすぐに改革に着手。
短い期間で練習内容も大きく変化することとなったが、選手とも上手くコミュニケーションを取りながらスムーズにチームの状態を引き上げることに成功させた。

厳しく言えばこれまでは選手の能力と監督の能力が釣り合わない状態が続いていたが、山本豪監督の発する言葉や指導論からはどことなくこれまでとは違った「好感」が感じられる。
Wエースの児玉真輝と杉彩文海や特殊区間経験者などラインナップは充実しているだけに、今季こそはシード権獲得が期待できるのではないだろうか。


帝京大学は指導19年目となる中野監督のもと長らくシード権獲得が続いていたが、前回大会は13位に終わり6年ぶりの予選会行きが決定。
星や細谷に並ぶようなエースの育成が進まず、さすがの中野監督も苦しい戦いを強いられている。

それでも予選会は3位で通過し、秋の全日本でも3区終了時では5位と奮闘を見せた。
4区での主将西脇翔太の大ブレーキさえなければ、おそらくは一桁順位でのフィニッシュとなっただろう。
末次海斗や福田翔など、高校時代は無名だった叩き上げの選手を育てる「育成力」は相変わらず健在だ。

しかし、前回大会も課題としてのしかかった「エース不在」は今大会も大きな課題。
加えて山の上下も適任が見つかっておらず、箱根への適性は極めて低いと言わざるを得ない。
「全員駅伝」で何とか粘り強く戦うしかないのが現状だが、どこかで思わぬゲームチェンジャーが現れることを期待したい。


東海大学は、主力選手の欠場が相次いだこともあって予選会では10位での通過と厳しい結果に。
エースの石原翔太郎は予選会以降も長らく離脱が続いており、11月に入っても満足な練習が積めていない状況が続いている。
エントリー入りこそ果たしたものの、おそらくは本大会も欠場となるだろう。

大エースの不在はシード権獲得へ向けてあまりにも痛手だが、それでも石原を欠きながら全日本では総合9位とまずまずの結果を残してみせた。
花岡寿哉、兵藤ジュダ、南坂柚汰らが好走を見せるなど、下級生たちが駅伝でも力を発揮してくれた点は非常に心強い。

とはいえ、両角監督が掲げた「総合3位以内」という目標は無謀が過ぎると言っていい。
課題である山の育成も進んでおらず、シード権獲得も現状では難しいというのが率直な印象だ。
石原の欠場も濃厚である今、求められるのは結果よりも来年度以降への下地作りとなるだろう。
先に挙げた下級生たちを大胆に主要区間に配置し、2年後3年後を意識した大会とする方が賢明なのではないだろうか。