2023年J2戦力診断 その4 | BBGのブログ

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今季のJ2戦力診断企画もいよいよ終盤戦。
今日からはいよいよ昇格候補のチームが次々と登場します。

それではまず昨季4位の大分トリニータから紹介いたしましょう!


【2023年J2戦力診断 その4】

大分トリニータ (昨シーズン5位)
『補強は乏しくとも引き続き充実の陣容。日程苦からの開放に期待は高まる。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 7
MF 8
DF 7
GK 7
指揮官 7
【総合値】36
【補強評価】D
【キーマン】弓場将輝


降格初年度となった昨季は昇格の有力候補に挙げられながら、一年でのJ1返り咲きに失敗。
この結果を受けて三竿、下田、井上と長らくチームを支えた主力選手たちが退団となった。

今オフはクラブの財政状況も苦しく、代替選手の獲得は決して順調に進んだとは言い難いものの、それでもなお戦力はリーグを見渡せば上々のラインナップ。
各ポジションにしっかりと実力あるバックアッパーが控えており、全てのセクションで7の数字がついたようにバランスの良さも大きなストロングポイントと言えるだろう。

また、昨季はルヴァンカップとの並行した戦いによる過密日程が結果に大きな影響を及ぼしたことも忘れてはならない。
過密日程に加えて度々の長距離移動を強いられた序盤戦は思うように練習を組めず、10試合でわずか3勝とスタートダッシュに失敗。
その一方で最終的に5位に入ったことからも分かるように、過密日程から解放された後半戦は7月以降わずか3敗という快進撃を披露した。

過去の実績を見れば下平監督がJ2でも有数の指導者であることは明らかであり、戦術の浸透が進んだ今シーズンは期待大。
こうした過密日程からの解放こそが今季最大の補強と言っても決して過言ではないだろう。

また、結果とともに楽しみにしたいのはアカデミー出身の「ブレイク候補生」たちの活躍だ。
下田が退団し名実共に中盤のリーダーとなった弓場はもちろんのこと、昨季は17歳でプロデビューを飾った保田、そして19歳の屋敷や18歳の佐藤など、大分の将来を担うであろう若き選手たちのプレーにも要注目である。


モンテディオ山形(昨シーズン6位)
『主力選手の退団は的確な補強でカバー。継続の徹底ではなく変化も求めたい。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 8
MF 7
DF 7
GK 8
指揮官 7
【総合値】37
【補強評価】B
【キーマン】 南秀仁


途中就任となった一昨季は29試合で17勝と好成績を残したクラモフスキー監督だったが、シーズン頭から指揮を執った昨季は42試合で同じく17勝と思ったほどに白星を伸ばすことが出来なかった。
結果的には昇格プレーオフ決勝まで進んだだけにこの結果をどう捉えるかは難しいところだが、シーズン中にもデラトーレやディサロを獲得するなどクラブの積極的なサポートを得たことを考えると高い評価は与えにくいだろう。

そのディサロに加え、10番を背負った山田康太、守備の要だった山崎、更には右SBの半田など不動のレギュラーを担った選手が次々とチームを去ったものの、フロントは今季も的確な補強で彼らの穴埋めにしっかりと成功。
昨季に続いて攻守にバランスよく、リーグ有数のラインナップでシーズンインを迎えることとなる。

それだけに、クラモフスキー監督にとっては今季こそ言い訳無用のシーズンとなる。
理想として掲げるポゼッションサッカーは確かにハマった試合では強い魅力を放つものの、昨季は群馬に2敗を喫するなど取りこぼしが多く「得手不得手」がハッキリとしているのもまた事実。
自動昇格を目指すには勝ち点が15近く足りておらず、現状のスタイルのままでその差を縮められるイメージは中々湧きづらい。
求めるサッカーの「徹底」もいいが、これまでのスタイルからの「変化」も必要となるだろう。
そういった面では、セットプレー担当として呼び寄せた同郷のブラッドリーコーチの存在は面白いポイントとなりそうだ。

多くの即戦力が加わった中で、キーマンには敢えて7年目を迎えた南秀仁をピックアップした。
昨季は彼の欠場が多かったことが勝ち点の伸び悩みに影響した印象もあり、クラモフスキー監督のサッカーには欠かせない技巧派の司令塔。
30歳を迎える今季、もう一段階上のパフォーマンスを見せることができればチームの昇格もグッと近づくはずだ。


ベガルタ仙台(昨シーズン7位)
『大型補強でリーグ有数の陣容が完成。自動昇格は至上命題の一年に。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 9
MF 8
DF 7
GK 7
指揮官 8
【総合値】39
【補強評価】A
【キーマン】小出悠太


13年ぶりにJ2で戦った昨季は、序盤戦こそ好スタートを切るものの徐々に失速。
34節終了時で監督交代に踏み切るという「荒療治」に出たものの、功を奏さずまさかのPO圏外でのシーズン終了となった。

この反省を活かし、今オフはリーグ有数の大型補強を断行。
エースの中山が君臨する最前線にはKリーグで昨季10得点を挙げたホ・ヨンジュンを獲得し、トップ下にも9年ぶりの仙台復帰となる郷家、ボランチには浦和でのプレー経験を持つエヴェルトンなど、とにかく選手層を厚くすることで非常に質の高い陣容が完成することとなった。
昨季終盤での急失速を考えると補強方針、そして結果には最大限の評価が与えられるだろう。

また、補強の動き出しが他球団に比べると非常に早かったのも大きなポイントだ。
本格始動を迎える伊藤監督にとっても早めに陣容が出揃ったことがプラスに働くことは間違いなく、過去数年チグハグだった上層部と現場にようやく「共闘」の姿勢が見られた点も好印象である。

それだけに、伊藤監督にとっては自動昇格が至上命題のシーズンインとなる。
長らく指揮を執った甲府では優れたチーム作りで高い評価は得たものの、一方で昇格は成し遂げられなかったのもまた事実。
ポジショナルプレーを基礎とした攻撃的チームの追求も大事ではあるが、まずは昨季59失点と守備の乱れが目立ったチームにしっかりと堅守を植え付け、何よりも勝負強いチームを完成させたい。

選手層は分厚い一方で絶対的なタレントには欠ける分、ミッションの達成は決して簡単ではないだろう。
ピッチ内外での選手たちの人心掌握はもちろん、堀孝史、伊藤洋樹と監督経験を持つコーチを2名引き入れたスタッフ間での意志統率も昇格へ向けては大事な要素となってくる。

キーマンには、DFラインの立て直しへの期待も込めて小出裕太を選出した。
伊藤監督とは旧知の仲であり、早くも主将を任されるなど今季は多くの役割を求められることになりそうだ。


徳島ヴォルティス(昨シーズン8位)
『継続性の強い戦力でシーズンイン。新監督の手腕にすべては託された。』

2023年予想フォーメーション
【各セクション診断】
FW 7
MF 9
DF 8
GK 8
指揮官 7
【総合値】39
【補強評価】A
【キーマン】渡大生


昨シーズンはリーグ歴代最多となる23引き分けという結果で注目を集める一年となった。
全試合の半数以上が引き分けという結果は決して褒められた結果ではないものの、その一方でリーグ最少タイとなる年間35失点という数字は高い評価にも値すると言っていい。
後半戦はわずか2敗と「負けないチーム作り」で順位を上げ、前半戦を16位で折り返しながら一時はPO出場圏内まで顔を出すなど来季へ繋がる充実のシーズン終了となった。

しかし、そのチーム作りに最も貢献したポヤトス監督がこのタイミングでG大阪へと転任。
後任にはここ数年のスペイン路線を踏襲するラバイン監督を呼び寄せたものの、監督としての経験はゼロということで不安要素が多い感は否めない。
スペインの古豪、レアル・ソシエダで分析官を務めていた実績は評価できるものの、分析と実際の監督としての仕事は全くの別物。
こうした配置転換が上手く行かないケースはサッカー界には多く、過度な期待は禁物だ。

その一方で、このオフは柿谷曜一朗が12年ぶりの復帰を果たすなど積極的な補強で戦力アップに成功した。
柿谷と同じく6年ぶりの復帰になった渡を含め、新加入選手たちの顔ぶれには期待感が高まるが、それよりも主力選手の退団をほぼ最小限に留めた点こそが最も評価できるポイントとなるだろう。
昇格のライバル候補を見渡しても選手の入れ替わりが激しいチームが多いだけに、昨季築いた「負けないチーム」をしっかりと継続し、選手補強の効果で勝ち点を上乗せしていきたい。
その面でもやはりラバイン監督が昇格達成に向けて最もキーマンとなることは間違いないだろう。

指揮官に求められる点は、やはり昨季からの「プラスα」をどのようにチームにもたらすかということになってくる。
リーグ最少失点の一方で、48得点と大きく伸び悩んだ得点力不足の脱却へ。
柿谷の起用方法はもちろんのこと、エースとして期待される渡の活躍が大きく鍵を握ることとなるはずだ。