2019年東京ヴェルディ通信簿 | BBGのブログ

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あまり気乗りがしないのですが…今年もこの企画を行いたいと思います。

愛する東京ヴェルディの今シーズンを振り返りつつ、全選手に五段階の評価をつけていこうという年末恒例の通信簿企画。
今シーズンは13位と非常に体たらくな結果に終わった我が軍ではありますが、現実に目を向けるという意味でも敢えて厳しい評価をつけて各選手と向かい合っていきましょう(笑)

それでは早速ですがGKの選手達から通信簿の発表、スタートです!


【2019年東京ヴェルディ通信簿】

■ゴールキーパー部門


1 柴崎貴広 評価 D
2019年シーズン成績 出場なし

体制が変わったがやはり上福元の前には成す術がなかった。
唯一の出場となった天皇杯では法政大に初戦で敗退という散々な結果に。
2番手という立場は譲らずも、ポジティブな評価はつけ難い1年だった。
ピッチ外でも例年よりどこか存在感が希薄だった印象は否めない。

21 上福元直人 評価 B
2019年シーズン成績 42試合3780分出場 59失点

チームの低迷と共に失点数は大きく増えたが、自身は出色の出来を維持。
ピンチが増えたことである意味存在感を更に高める一年ともなった。
永井体制では攻撃の起点としての役割を強めビルドアップで多大な貢献。
攻守両面に渡りJ2ではひとつレベルの違うGKと言っていいだろう。

26 鈴木智幸 評価 E
2019年シーズン成績 出場なし

ホワイト体制では数試合ベンチ入りを果たすも結局それまで。
10節からはベンチを外れ結局一年間3番手という序列は覆せなかった。
Jの舞台で一定の実績を積んでいることを考えればこの結果は物足りない。
現体制とはややフィットしない感もあるだけに新天地を求めるのが吉か。

34 長谷川洸 評価 E
2019年シーズン成績 出場なし

3選手が最低でもベンチ入りを経験した中、結局今季も4番手から脱せず。
練習試合でもあまり目立った話は聞かず、実力不足が否めないのが現状か。
育成出身でクラブ愛の強い選手だけにいつかはゴールマウスを守らせたい。
GKは大化けが有り得るポジションだけに実戦の場を積ませたいが果たして。

◎ゴールキーパー部門総評

シーズン中に体制が変わったが上福元への信頼は両監督共に全く揺らぎが無かった。
それくらい彼の能力が抜きん出ているということが証明された一年だったと言えるだろう。

昨年までの徹底した守備戦術が解消されたことでチームの失点は増加。
上福元自身も序盤戦などは幾つか手痛い失点があったものの、それでもやはり水際の部分で数多くのピンチを食い止めたのは彼。
終わってみれば一番目立ったのは上福元だったというゲームは決して少なくなかった。

また、前述したようにボール保持を重要視する永井体制のもとではその価値がさらに高まり
上福元の存在なしでは永井監督の求めるサッカーは恐らく体現出来ていなかった事だろう。

それだけに、ここまで実力を示した彼が来年3年目のシーズンをJ2で迎えるかには大きな不安が残る。
柴崎、鈴木は一定の実力者だが足元の技術に優れるタイプのGKとは言い難い。
守護神…というよりは11人目のフィールドプレーヤーが移籍した場合に備えて補強に動く必要性があるだろう。


■ディフェンダー部門

2 若狭大志 評価 C
2019年シーズン成績 26試合2012分出場 1得点0アシスト

DFの層が極端に薄くなったことで昨年より出場機会を増やす一年に。
特に永井体制のもとではボールを扱えるCBとして存在価値が高まった。
スピードも含め、周りの選手には無いものを多く持った貴重な存在。
それだけに年間を通して怪我での離脱期間が長かったのは残念だった。

3 近藤直也 評価 D
2019年シーズン成績 28試合2475分出場 0得点0アシスト

井林に代わる守備リーダーとしての活躍が期待されたが…満足とは程遠く。
失点に絡むシーンが多く、瞬発力など弱点が目立つ場面の方が多かった。
一度は失ったレギュラーを後半戦は奪回するも、評価を上げるには至らず。
何分期待値が高かったせいで残念ながら失望の強いシーズンとなってしまった。

5 平智広 評価 D
2019年シーズン成績 32試合2615分出場 1得点1アシスト

ホワイト体制では不動のレギュラーに君臨するも、負傷により長期離脱。
その後は中々ポジションを取り戻せず、復帰後も先発の機会が遠かった。
今シーズンは左足でのビルドアップという武器がやや鳴りを潜めた印象。
中堅からベテランの域に差し掛かりつつあるが更なる成長を望みたい。

15 安在達弥 評価 E
2019年シーズン成績 4試合96分出場 0得点0アシスト

年間を通してほとんど評価を得られずほぼ全ての試合でベンチを外れた。
特に守備面の能力を問題視されたのかSBとしては計算外という印象。
現場でこう評される選手をDFとして獲得したクラブの判断には疑問が残る。
ユース時代は突出したプレーが印象的だった選手。もう1年は見たいが…

17 李栄直 評価 D
2019年シーズン成績 25試合1682分出場 4得点1アシスト

ホワイト体制では守備能力を評価されCBやボランチでの出場が増えるも…
ビルドアップなどでは努力を見せたもののやはり軽率なミスが散見。
結局終盤はFWとして起用され、前任者の慧眼の無さが証明される結果に。
得点も昨季ほど重要性のあるものが少なく攻撃面でも存在感は希薄だった。

22 永田拓也 評価 E
2019年シーズン成績 11試合599分出場 1得点2アシスト

残してきた実績を考えればもう少し奈良輪のライバルになるかと思ったが…
結局ほとんど出場機会を得られず終盤戦では本職ではない選手の後塵を拝した。
愛媛戦での決勝弾は印象深いが自身の持ち味は最後まであまり発揮出来ず。
永井サッカーとは相性が悪い感も否めず、1年での退団が濃厚か。

31 クレビーニョ 評価 C
2019年シーズン成績 13試合1020分出場 0得点3アシスト

夏に加入すると推進力や攻撃性を活かしてチームの貴重なピースとなった。
しかしそれは中盤で起用した際の話であり、本職と思われたSBではほぼ失格。
守備面で穴になるケースが多く最後までSBとしては定位置を掴めなかった。
チームに欲しかったのは最終ラインから力を発揮できる選手であり不満は残る。

◎ディフェンダー部門総評

評価にもはっきりと表れたようにほとんどの選手が満足行くパフォーマンスを残せなかった。
クレビーニョはほぼMFとしての評価だけに、DFラインでポジティブな評価を下せたのは若狭と奈良輪(MFの欄で紹介)のみ。
若狭はシーズンの半分近くを欠場したことを考えれば、奈良輪以外は誰ひとりきちんと機能しなかったシーズンと言えるだろう。

改めて振り返るとまずシンプルに「質」と「数」が揃って足りてなかったと言えるだろう。
昨シーズンは夏に畠中がマリノスへと移籍し、ただでさえCBはやり繰りに苦しんだ中でシーズン後には大黒柱だった井林が退団。
この事実を踏まえれば最低でも2選手は補強が必要だったように思うが…全盛期を過ぎた近藤ひとりの補強で済ませたのはあまりにも浅はかだった。
チームは李や内田をCBとして計算していたようだが、両者共にCBとしては機能せず。
このクラブとしての「見通しの甘さ」は今季の低迷の最大の要因と言えるかもしれない。

一方で、チームとしての「守備戦術の緩さ」に選手が振り回されたとも言えるだろう。
ロティーナのもとで確立されたはずの守備戦術がホワイト、永井体制では揃って完全に瓦解。
これまでチームを覆っていた戦術というカバーが剥がれ、相手の攻撃に無防備に晒されるケースが多かった点は同情の余地も残る。
ロティーナのもとでは高い評価だった平が低調に終わったことなどはこの事実を明確に表していると言えるだろう。

来シーズンも永井体制の続投が予想されることを考えると、DFラインは補強が必須。
CBではまず足元の技術の高い選手の補強が必須であり、山本や澤井など「専門外」の選手の起用が相次いだSBも駒が足りていないのは明らかだ。
本気でJ1を狙うのであれば、今年のオフこそこのポジションに本気の補強を見せてほしい所である。


■ミッドフィールダー部門

4 藤本寛也 評価 D
2019年シーズン成績 16試合919分出場 0得点2アシスト

昨季はルーキーにしてチームの主軸を担うも、今季は立場が一転。
ホワイト体制では適正ポジションが見いだせないままベンチを温めると
恩師の永井監督が就任し、さぁこれからという8月に大怪我でシーズン終了。
運にも恵まれなかったが、まずは全治8ヶ月の怪我からしっかりと復帰したい。

6 井上潮音 評価 C
2019年シーズン成績 33試合2447分出場 3得点1アシスト

前任者の下では確固たる地位を築くも、永井監督からは信頼を得られず。
戦術理解力で遅れを取り、後半戦は先発出場の機会が大きく減少した。
技術は高いがあと一歩物足りないというのが大半の指導者からの評。
このクラブでその一歩を詰めバンディエラとなってほしい存在だが…。

8 内田達也 評価 D
2019年シーズン成績 15試合1116分出場 0得点0アシスト

ここ2年チームに一番不可欠な選手だったのだが、立場がまさしく激変。
CHに展開力が優先されたホワイト体制ではほぼ戦力外の扱いに終始。
永井監督の下ではCBとして出場機会を得るも序列は低いままだった。
決して「巧い」タイプの選手ではないが、ここまでの不遇には疑問も残る。

9 佐藤優平 評価 C
2019年シーズン成績 32試合2494分出場 2得点5アシスト

ホワイト前監督からは全幅の信頼を与えられ全試合に先発出場。
一方で体制が変わった後半戦は負傷離脱もあって数試合の先発に留まった。
信頼と自由を得た前半戦では独断で動きすぎて戦術を壊す嫌いも。
技術や運動量は確かだが扱いづらさという欠点も目立つ一年だった。

13 新井瑞希 評価 E
2019年シーズン成績 14試合375分出場 1得点0アシスト

永井監督のリクエストもあってか8月半ばにJ3の富山から緊急加入。
デビュー戦では運にも恵まれる形でいきなり得点を記録するもその後は…。
縦への姿勢は見せたが、やはりJ2の舞台では実力不足だった感は否めない。
期待されていた役割は果たせず、終盤戦はほとんど出番を得られなかった。

14 澤井直人 評価 D
2019年シーズン成績 9試合402分出場 0得点0アシスト

長くのリハビリ、そしてフランスでの武者修行から6月に復帰。
成長した姿が見られることを多くのファンが期待したが、現実は厳しかった。
苦しむチームの中で埋没し、どことなくプレーからは怪我の影響も。
3試合に留まったがSBでの起用にギリギリ活路を見出したと言えるか。

16 森田晃樹 評価 B
2019年シーズン成績 24試合1510分出場 3得点2アシスト

永井サッカーの申し子として監督交代以降はルーキーながら中心選手に。
戦術の伝道師としての役割に留まらず、力強いプレーで3得点と躍動した。
現状では攻撃にアクセントを加えられる貴重な存在であり、前線でも機能。
1年目ながらプレーへの妥協なき姿勢など、多くの面で好印象な一年だった。

19 小池純輝 評価 A
2019年シーズン成績 40試合3344分出場 16得点4アシスト

6年ぶりにチームに復帰すると、32歳にして突如得点力が爆発。
3トップの一角として序盤から年間を通して得点を量産し続けた。
フィニッシュはもちろん、数少ない局面打開役としてもその貢献度は抜群。
得点難のチームにおいて貢献度という意味ではS評価にも値する活躍だった。

20 山本理仁 評価 C
2019年シーズン成績 22試合1554分出場 0得点3アシスト

高校生ながらトップ登録されると、永井体制の下では一気にレギュラーへ。
17歳とは思えない技術の高さや展開力など自身の持ち味を大いに披露した。
一方で、中盤では運動量やSBとしては推進力など課題も同時に目立った印象。
ポテンシャルは極上だけに今はとにかくプロの水に慣れることが重要だ。

23 田村直也 評価 D
2019年シーズン成績 9試合638分出場 得点アシスト

昨年までは評価された守備のユーティリティー性が今季は活きなかった。
攻撃志向が強い2人の指揮官の下では展開力や推進力が優先され出番が激減。
年間を通して8試合の出場に留まり、11月には惜しまれながら引退を発表。
苦しい時期から長年クラブに尽くしたそのキャリアに改めて敬意を表する。

24 奈良輪雄太 評価 B
2019年シーズン成績 37試合3200分出場 1得点1アシスト

体制が変わってやや立場が揺らぐ不安もあったが、まさに杞憂に終わる形に。
ホワイト、永井両体制でもSBの一番手を譲らず絶対的な信頼を受け続けた。
攻撃面での不満も残るが、彼のひたむきさが防いだピンチや失点は数知れず。
チームは結果が出せなかった分そのプロフェッショナルさが特に目立つ一年に。

33 河野広貴 評価 E
2019年シーズン成績 15試合549分出場 2得点1アシスト

多くのファンから愛された育成出身のアイドルが実に8年ぶりに復帰。
しかし、あのキレのある突貫小僧の鳴りは最後まで影を潜めたままだった。
怪我の影響なのか、年間を通して身体が重くほとんど違いを見せられず。
精神的な成長は感じさせるも、ファンが見たい河野広貴とは程遠かった。

38 梶川諒太 評価 B
2019年シーズン成績 32試合2239分出場 2得点2アシスト

ホワイト体制では出番を欠いたが、永井体制ではMFとして評価が一番手に。
高い技術と抜群の献身性を併せて発揮できる稀有な存在としてフル回転した。
終盤にはアンカーとして新境地を発揮しまさになくてはならない選手に。
2得点には不満も残るがH甲府戦での強烈なミドルは今季のベストゴール候補だ。

38 石浦大雅 評価 D
2019年シーズン成績 1試合6分出場 0得点0アシスト

最終節に6分だけいう時間だったがそれでもプロデビューの一年に。
僅かの出場ながら惜しいチャンスメイクなど「巧さ」は示してくれた。
山本、藤田には水を開けられるも「永井イズム」を肌で知る選手の一人。
昇格が決まっている来季はフルスロットルで同級生に追いつきたい。

40 藤田譲瑠チマ 評価 D
2019年シーズン成績 4試合109分出場 0得点0アシスト

昨年まではユースでも主力に至らなかった伏兵が急激な成長を披露。
アンカーに配置されると水を得た魚のようにそのポジションをものにした。
9月にデビューすると最終節にはスタメンで起用され圧巻のプレーぶり。
U17W杯でも主力に抜擢されるなど今まさしく目の離せない存在である。

◎ミッドフィールダー部門総評

インサイドハーフは開幕時から選手層が「厚すぎる」とまで言われていたこともあり、年間を通して選手起用には困ることが無かった。
ロティーナ体制では不動の立場を築いていた内田がほとんど出場機会を得られなかった点などは周囲のクラブからすれば贅沢な選択と言っていいだろう。

内田に代わり前半戦で主力選手に躍り出たのは井上と佐藤のゲームメイカー2名。
特に井上は待望のプロ初ゴールをマークするなどようやく本格化の気配を漂わせていたのだが…こうした中盤の選手運用も監督交代にて一気に序列が変化する。

永井体制初陣で前半途中に交代となったように井上は指揮官の特異な戦術にフィットできず
逆に、ユース時代から長らく彼の指導を受けてきた森田と山本がチーム内では一気に台頭。
やや「ユース偏重」にも思える起用ではあったが、両名共にその実力を如何なく発揮してチームに欠かせない戦力となってみせた。
特に水戸、そして琉球といずれの試合でも勝利に繋がる得点を決めた森田は出色の出来だったと言っていいだろう。

加えて永井体制では梶川が信頼を格段に高め、佐藤も万全の状態であれば決して序列は低くない。
ここに藤田、そして石浦の加入が内定していることを考えれば来季も3枠に対して選手の数は「過剰」とも言っていいだろう。

一方で、いわゆるサイドハーフ(永井監督のもとでは「ワイドストライカー」)を担った選手達は軒並み低調な出来に終わった。
2得点は挙げたものの河野はほとんど往年の突破力を披露できず、澤井からも3年前の様な期待感を抱くことは出来ずじまい。
崩すという役割を全う出来ていたのは小池だけであり、ここの「質」を高めないとチームの得点力は上がることが無いだろう。

このように、インサイドハーフの選手は監督交代も手伝い各々が出場機会を分け合ったことで評価を伸ばせず
サイドハーフの選手はシンプルに力量不足で評価に値せずと、終わってみれば小池以外ほとんどの選手が凡庸な評価に落ち着く結果となってしまった。


■フォワード部門

10 レアンドロ 評価 D
2019年シーズン成績 25試合1653分出場 7得点1アシスト

前半戦はほぼその姿を見ることがなかったが、監督交代で前線のキーマンに。
フリーマンとして絶対に欠かせないとの評を受け先発出場が続いた。
しかし、高い技術こそ披露したがPKを除くと4得点という成績は非常に寂しい。
守備面で足枷になる局面も多く、指揮官の評価ほど不可欠な選手とは思えず。

11 ジャイルトン・パライバ 評価 C
2019年シーズン成績 11試合966分出場 4得点4アシスト

強烈なスピードとフィジカルを武器に初戦で2得点1アシストとまさに爆誕。
しかし、その後は数字を伸ばせず結局4得点でシーズンを終えることとなった。
一瞬の瞬発力や相手DFとの競争には強いが、突破力は備えていないのが欠点。
それでも他の選手には無い圧倒的な速さはチーム全体の大きな武器となった。

17 端戸仁 評価 D
2019年シーズン成績 20試合1162分出場 1得点1アシスト

ホワイト体制では献身性や周囲との関係性を持ち味に一定の出場機会を確保。
しかし、肝心要のストライカーとしての迫力や得点力があまりに足りなかった。
結局得点は相手のミスから転がり込んだラッキーゴールひとつのみ。
9月に半月板損傷の重傷を負い、インパクトを放てぬままシーズンを終えた。

30 ヴァウメルソン 評価 E
2019年シーズン成績 4試合28分出場 0得点0アシスト

アルメニアからの加入という未知数な存在だったが、結果は完全な期待外れ。
出場機会がまるで与えられないだけに当初はやや不遇にも感じられたが
先発した天皇杯で大学生相手に全く通用しなかったことで誰もが真実を悟った。
このような選手を獲得してきた強化部の判断にも大いに疑問が残る所である。

50 カン・スイル 評価 C
2019年シーズン成績 3試合61分出場 0得点0アシスト

逆襲への切り札として7月に加入したのだが結局ほとんど出場機会を得られず。
恐らくはホワイト前監督が解任を前に獲得を決断した選手だったのだろう。
永井政権下ではほぼ戦力外の扱いで、不憫としか言いようがない半年となった。
腐ってもやむを得ない状況下で最後までやり抜いた姿勢を最大限評価したい。


◎フォワード部門総評

ホワイト監督のもとではここに林とネマニャ・コイッチの両名が加わったが、両者共に永井体制のもとでは放出の憂き目に。
戦力になれなかったコイッチは仕方ないとして、それまではエースだった林をスタイルとの不一致を理由にあっさりと放出した点には疑問も残る。
終盤戦では李を最前線で起用する局面もしばしばで、「だったら林を」というのは誰しもに共通する感想であった。

それだけ永井監督のスタイルは特異であり、いわゆる「フリーマン」の選手に求められる能力は得点力よりもまずは技術。
ファーストチョイスはレアンドロ、そしてセカンドチョイスには167㎝の森田が起用され、最後までこの2名以外が先発する機会はほとんどないままだった。
これが永井流と言えばそれまでだが、やはり最前線で出場する選手にはまず何よりゴールを求めたいのだが…。

「ワイドストライカー」という名称通りフィニッシュの役割を求められた両WGの選手も、MFの項でも述べたように小池以外ほとんど得点に絡めず。
パライバが加入するまでは「とっかえひっかえ」だったことを考えると永井監督的にもここの戦力には不満があったのだろう。
パライバも決して100%満足とは言い難い結果だっただけに、このセクションには「戦術兵器」となり得るような大きな補強があることを願いたい。

それにしても開幕前の補強を振り返るとヴァウメルソン、コイッチ、そして端戸と厳しい言い方になるが散々な結果に終わったと言わざるを得ない。
チームの勝敗を大きく左右するFWの補強がこれでは勝利もついてくるはずがない。
このオフは選手補強の前にまずは現場と強化部がきちんと意見をすり合わせてほしい所である。


■チーム総評

昇格を争ったこの2年から一転して、年間を通して一桁順位にすら浮上出来ずと非常に低調なシーズンを送る結果となってしまった。

理由は様々だが、まずはシンプルに監督招聘を誤った点が最大の原因となるだろう。
「昨年までのチームをベースに攻撃面で足りなかった部分を身に付ける」という前触れは聞こえこそよかったが、ホワイト前監督のもとではこれまでチームにあったはずの秩序が崩壊。
守備面での約束事がほとんど失われ、結局22試合の内で無失点に終わった試合は2試合と売りだったはずの堅守はあっさりと瓦解される結果となってしまった。
結果が出ないことでホワイト氏の指導も徐々に迷走。目指すサッカーが伝わらず、ほとんど何もなかった金沢戦を以って解任となったのは止む無しと言っていいだろう。

7月から緊急登板となったのはこれまで2年半ユースを率いてきた永井秀樹監督。
サッカーの「質の追求」を何より大事にする指揮官のもと、後半戦は目指すべきサッカーこそピッチの上で明らかとなったのだが…
今度は結果よりもどこか内容を追い求めすぎるせいか、ボール保持率だけが高まり得点に至らない試合が散見。
サポーターにとってはストレスフルな試合が続き、終盤戦はネガティブな評が飛び交うようになった。

最終節の大勝でやや霞んだものの、ラスト5試合の結果は1勝3敗1分。
途中就任というエクスキューズを除いても永井監督のもとでは上がり目を感じられない幕切れとなったが、既に来季の続投は内定しているのが現状だ。

だとすれば、このオフは万全の選手補強を望みたい。

「変人」と自身を評する指揮官がどれほどの選手補強を望むのかは不透明だが
少なくとも幾人かの出入りはある中で、加入選手の大半が戦力になれなかった今年のような失敗は絶対に避けたいところ。

正直今シーズンに関しては開幕時の選手編成でライバルに大きな後れを取っていた感も否めず
「CBの層が薄い」「局面打開役の不在」などといった、誰の目にも明らかな不安がそのまま的中してしまった強化部の仕事ぶりにも大いに不満が残る。
来季は13位からの巻き返しを図ることを考えれば、補強こそ「質の追求」が求められることだろう。

こうした様々な要因が折り重なったこともあって、ここ2年は比較的ポジティブな評価が並んだ通信簿も軒並みC評価かD評価と暗い結果になってしまった。
各選手に対して厳しい言葉を並べなければならないのは決して快いものではなかったが、一方で選手達のプレーからあまり伝わってくるものが無かったのもまた事実。

指揮官の交代であっさりと各選手のメッキが剥がれてしまった感は否めず、後半戦はどこか戦術を「こなしている」だけのような印象で勝利や得点への強い気概を選手から感じるケースがほとんどないままであった。
時折見せる淡白な失点は決して指導者の問題だけにあらず、「永井監督の求めるサッカーを体現したい」と言いながら毎試合簡単なミスでボールを失うケースがあまりにも多すぎた。

・・・・このように、監督・フロント・そして選手それぞれに問題を抱えた分かりやすい「低迷するクラブにありがちなシーズン」だったと言えるだろう。
非常に厳しく評するのであれば時折のラッキーパンチである意味13位に「留まった」とも言える一年だっただけに
来シーズンは各々が強い危機感を持ち、三位一体となったチーム強化が進むことを期待したい。