第93回箱根駅伝展望「優勝争い」 | BBGのブログ

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さて、今年も箱根駅伝の季節があと1か月ほどに迫ってまいりました。

となればこのブログで始まるのは箱根駅伝の展望企画並びに順位予想ですね(笑)

今年も性懲り無くやりますよー。
というわけで、今年は例年よりちょっと早めの今から展望を始めていきたいと思います。

毎年通り、まずは優勝争いの展望から。
今年も3回の展望と、そして予想を含めて全4回の箱根駅伝シリーズを皆さん最後までよろしくお願いいたします!(笑)


■第93回箱根駅伝展望「優勝争い」


前回大会に引き続き今大会も「STOP THE 青学」という副題をつけるのが相応しいそんな大会になるのではないだろうか。
それだけ、今年も青山学院大学の充実は著しい。

まず結果にも現れているように、前哨戦となった出雲・全日本を連覇。
「四天王」と呼ばれた神野率いる昨年の4年生ですら成し得なかった駅伝三冠に悠々と手をかけているあたりに、今年のチームがいかに強いかはハッキリ表れているだろう。

充実の要因としてはやはりチーム全体の総合力の高さが挙げられる。
一色、田村、下田の3本柱に加えて昨年の箱根路でブレイクした中村や小野田も主力選手に成長。
全日本では2年生の森田が区間賞を、出雲では1区で1年生鈴木が好走を見せるなど下級生の充実も著しい。
一方で昨年は箱根を走れなかった安藤が出雲、全日本と揃って活躍。
未だ箱根での経験が無い茂木も出雲では区間新記録をマークするなど上級生も存在感を発揮。
原監督が「まず16人を選ぶのが難しい」というのも決して強がりではないであろう選手層の厚さだ。

2区一色、6区小野田と確実に計算が立つ「スペシャリスト」の存在も心強い。
神野が抜けた5区の起用が最大の争点だが、これだけチーム力が高ければ1年間じっくりと山登りの選手の育成も出来ただろう。新たな山のエース誕生に期待したい。

不安な点があるとすれば、ここまでの圧倒的強さからくる油断や慢心と言った部分か。
結果だけなら去年のチームを凌いでいるが、それは正直他のライバルの弱体化が影響している部分も否めない。

ただ、第三者がそう見るのは構わないがチーム内でもそういった認識がはびこるとやや危険だ。
そういった予兆は外部の人間には分からないが、原監督は選手起用よりなによりまずチームをしっかりと引き締めることを求められると言っていいだろう。


ただ、逆に言えばそういった見えない「精神面」くらいにしか不安要素を見いだせないくらいチームは充実一途である。
選手層もさることながら、例年しっかり駅伝シーズンに向けてチームの状態を高めてくるのはお見事。
怪我人も少なく、こういった「選手管理」の部分はもっと評価されていいように思える。
今年もよほどのアクシデントがない限り箱根駅伝を制覇するのは間違いなく青山学院だろう。


では、その対抗となるのはどの大学か。

正直対抗となる大学が見当たらないのが現状だが、まず挙げるのなら駒澤大学になるだろう。


ここ数年はどうしても頂点の牙城が崩せず、チームは徐々にタレント力を落としている感はあるが
それでもチーム全体の選手層を見ると辛うじて青山学院に対抗できる学校なのではないかと思う。

大エース中谷は怪我の影響でここまでの三大大会を走れていないが、逆にエースを欠いた中でもチームは粘り強い走りで全日本は4位に食い込んだ。
経験値の低かった2年、3年の選手たちが大舞台で経験と自信をつけたのは間違いなく力になるはず。
中谷、西山、工藤といった力のある選手達の活躍で往路を良い順位で纏め、彼ら「初挑戦組」を復路で気持ちよく走らせることが出来るなら…よもやの躍進も有り得るか。

そういう意味では最重要区間の5区に前回大会4位の経験を持つ大塚を擁しいている点も大きい。
山のスペシャリスト不在の今大会、ここで大きな貯金を稼げれば優勝の青写真も見えてくる。


山登りで貯金を・・・と描くのは早稲田大学も一緒であろう。


前回大会5区5位の安井、更には山下りも前回6位の佐藤という経験者を擁しており特殊区間の経験値なら今大会トップクラス。

一方平地でエースになれる選手が見当たらない突出した選手の不在は気がかりだが
「粒ぞろい」ともいえる選手層は光るものがあり、全日本では予想を良い意味で裏切り2位に輝いた。

最終区で安井が悔しい逆転負けを喫することとなってしまったが、それまで7人は全員区間記録が3位以内。
本番でもこの走りが出来れば・・・・
小田原までを粘り強く繋ぎ、全日本のリベンジに燃える安井の力走で往路制覇を獲りに行く。

同時に、その為にはとにかくブレーキを作らないことが大事になる。
全日本好走の一方で出雲では1区で主将の平が大ブレーキ。
前回の箱根も2区で高田が区間17位の大ブレーキと優勝争いは戸塚で閉ざされてしまった。
思い返すと早稲田のここ数年はそういったブレーキ区間の存在に悩まされているだけに
いつもの注文にはなるが選手の状態をしっかり見極めて最適な区間配置を監督には求めたい。

そこをクリアできれば・・・
派手さは無いが「総合力」や「経験値」では勝負できる陣容だけに強気に優勝を狙いたい。


例年優勝争いに名を連ねている東洋大学にとって今大会は我慢の大会になるのではないだろうか。

前回大会で登録16人のうち実に半数を占めた4年生が卒業し、チームは今生まれ変わりの時期。
エース格の口町や堀を怪我で欠いたという側面はあったとはいえ、酒井監督は出雲と全日本ではいずれも下級生たちを積極起用。
順位は沈んだが、チーム作りという観点から考えれば正しい選択だったように思える。
青山学院という絶対強者がいる中で無理に優勝を狙いに行くよりは、今年は我慢してでも多くの選手に経験を積ませた方がベターであろう。
これからの未来の為にもファンや関係者は長い目で見るべきそんな大会になるはずだ。

しかし、かと言ってあっさり白旗を上げるほどこのチームは弱くもない。
口町はしっかりコンディションを箱根に合わせており、エースの服部は好調を維持。
恐らく1区2区で使われるのではないかと思われるWエースのスタートダッシュで波に乗り、戸塚で青山学院の前に出る。
これは恐らく駒澤、早稲田には出来ないこと。実現の為にも服部弾馬の走りは見逃せない。


2区に一色という大黒柱を擁する青山学院に対して戸塚で前に出る青写真を描けるのは東洋、そして山梨学院大学くらいだろう。

山梨学院には何と言ってもニャイロがいる。
前回大会で初挑戦の箱根路で区間2位、今大会も出雲全日本揃って最終区で区間賞とその実力はチーム史上最強クラスと言っていい。

早くも駅伝にすんなりと適合しているこの絶対的エースがいるだけに、課題はとにかくいかにしてニャイロに良い位置でタスキを渡せるか。
そんな中、今シーズンは出雲と全日本で揃って上田を1区に起用し3位・6位と十分な結果を得ることに成功。

毎年中々適性のある選手が見当たらず、ぶっつけ本番で箱根に挑んでいる感があった中で
今年は1区で計算出来そうな選手が既に誕生していることは相当心強い。

近年の箱根駅伝はとにかく先手先手を取って精神的優位を奪うことが求められている。
上田好走、そしてニャイロ爆走となれば…
青山学院に「焦り」を生じさせてくれる可能性があるのはこの大学しかない。
チーム全体の選手層やタレント力では正直優勝争いが出来るとは言い難いが、いわゆる「一芸」を生かしてあれよあれよの展開を望みたい。


最後にはなったが、まさしく「大穴」として面白い存在なのが東海大学だ。


前々回6位、前回5位と近年確実に成長を遂げている中で今シーズンは出雲で3位と躍進。
やや停滞感のあるその他の強豪校に比べて、勢いだけなら圧倒的に上回るものがある。

そんな東海大学の今年の特徴は何と言っても1年生の充実ぶり。
出雲では1区から3区をいずれも1年生が走るという異例の編成ながら、3人のルーキーはいずれも区間2位・2位・1位の走りで駅伝ファンを沸かせてくれた。

それだけに楽しみになるのは彼らが上級生として迎える2,3年後になるが
全日本でも8人中4人が1年生を占めるなど既にチームに欠かせない戦力となっている感もあり
失うものの無い彼らが初めての箱根路で思わぬ好走を見せれば勢いそのままに…といった展開も有り得るかもしれない。

ポジティブな意味で非常に未知数なチーム。
これだけ1年生が充実したチームは過去にも類を見ないだけに、将来性も含めて非常に楽しみな大会となる。
絶対に見逃すことの出来ない大学のひとつだ。




以上5校を優勝争いの大学としてあげましたが
青山学院以外の4校は優勝争いというよりは「2位争い」と言っていいのではないでしょうか。
それだけ今年の青山学院の力は抜きん出ています。

抜きん出ているというか、前述したように駒澤や東洋といったライバル校がここ数年はやや力を落としているだけに結果的に青山学院が際立っているという印象ですが
どんな理由であれ青山学院が本命、オッズで言えば「1.2」くらいのレベルでは無いでしょうか(笑)

それだけに今大会はこれまでの「三つ巴」が崩れて新たな大学が2位なり3位に入ってくることを望みたいですね。

ここ最近は中々トップ3に顔を出せていない早稲田の復権や、若い世代の充実著しい東海の突き上げ。
そういった新鮮な驚きが提供される大会になってくれることを望みます。

何にせよ、「優勝争い」という観点で考えるなら今年も青山学院一強で揺るぎはありません。
ポイントとなるとすれば青山学院の1区の起用ですかね。
前回大会はここで久保田というエースを起用して完全に流れを掴みましたが、今のチームに彼ほど1区に適性のある選手はいないのが正直な所。
2区一色、3区田村の絶対エース2枚を前に誰を配置するか。青山学院によもやの展開があるならここで失敗した場合でしょう。
そういった視点で区間エントリー発表を待つと面白いのではないかと思います。

では、第2回へと続きます。
次回は「シード権争い前編」の展望となります。