「はい、ビジネス塾サバイバル三宅。」
メールで見た印象とは違って、野暮ったい調子で電話をとるこの男が塾長らしい。
「すいません、メールを見て土曜日の説明会に参加したいと思ってるんですけど・・・」
「あーはいはい。説明会ね。じゃ、名前と連絡先教えてください。あと、当日は会費が500円かかりますのでご持参くださいね。」
この手の会に連絡するのは初めてであったが、この三宅という男が適当であったのかあっけなく電話は終わり仕事に戻ることにした。
日本企業の社員採用は新卒重視であることは言うまでもないが、その理由を聞かれた時に論理的な理由をもって妥当性を主張出来る人はどれくらいいるのだろうか。少なくとも、今ここで自分のミスのために残業を余儀なくしている僕にはよくわからない。
テレビでよくみる大手企業ならまだしも、僕のいるような中規模の企業で終身雇用なんて心底信じている人がどれだけいることだろう。
それでも、社長や上司に必死に従って自分の立ち位置を守ることが一般的というなら今の日本はなんてチャンスの少ない国なのだろうと思う。未来に希望が無い中で既得の富や権利を回していくだけの世に何のやりがいを感じられるのだろう。
主観的に見ても、分不相応だとわかる悩みを抱えながら長く薄い一日が終わった。