ゆとり大学5年生 -4ページ目

ゆとり大学5年生

自分探しという名の現実逃避

会社に入ったばかりの頃は、土日が楽しみで仕方なかった。

土日のために会社へ行っていたといい。


今はどうだろうか。

土日はたまに飲み会が入るくらいで、日中外で誰かと会うなんていうのはそれこそサークルの同窓会くらいである。

平日に体調を崩すことは減ったが、その分休日に具合を悪くして休んでいるとまた平日がやってくる。


この2,3ヶ月ずっとこんな調子だと、予定が昼から夜まで入っている休日というのは前の日から疲れてしまう。


特に知らない人と会うとなるとそれは尚更だ。

スケジュール帳を何度見直しても昼にビジネス塾、夕方は金子と金子が尊敬する人と会うという予定が入っている。

違うとすれば見る度に気分が重くなっていくことくらいだろうか。

そんなわけで日曜日の朝の気分は最悪だった。


可能であればビジネス塾とかいういかにもうさんくさい講義だけは避けておきたかったが、そうすると予備知識のないまま金子と会うことになる。

それだけは何かマズイことになるんじゃないかと僕の危機意識がささやいていたため、「もう成るようになれ」というのが昨日の夜からの結論であった。



案内に書かれていた場所はカフェ街から歩いて数分の場所にある雑居ビルの2階だった。

確かに「ビジネスサバイバル塾」と書かれた小さな白黒の看板が掲げられているのが見える。


メールで大々的に宣伝した割にはあまりにも貧相であった建物に入ることがためらわれたが、外の寒さが僕の思考回路をにぶらせたのか気づいていたら僕の手はそのドアを開けていた。