今週はノーベル賞の受賞発表Week。
医学・生理学、物理学、化学、文学、平和、経済学の順に、14日(月)までかけて発表されるそうです。
びっくりしたのは、物理学賞と化学賞でAIの「からみ」が強かったことです。
10月9日に日経新聞の社説でも「120年あまりの歴史で、AI研究の受賞は初めて」と書いています。
物理学賞は、人間の脳の仕組みをAIで「再現」するための重要な要素である「深層学習」について、科学賞は、「タンパク質の構造解明」について。
AIの注目度がさらに上がったためか、ここ数週間下落していたNY株式市場のAI関連株が再び上昇トレンドに乗った感じも(笑)。。。
受賞された方はもちろん「人間」ですが、そのうち「AIと人間の共同受賞」とか、「AIたちの受賞」とかが現実のものになったりして。受賞分野も、この勢いでいくと、すでにAIの応用が取りざたされている「医学・生理学」や「文学」はいうに及ばず、「平和」や「経済学」でもAIが受賞する時がやってくるかもしれませんね。
「平和賞をAIが?」… 以前書いたコラムを思い出しました(笑)
東水会 自治会長
菅野 哲央
~~~~~ 日本経済新聞社説よりコピペ ~~~~~
[社説]時代を映すAIのノーベル賞
今年のノーベル賞は物理学賞と化学賞で、人工知能(AI)の研究者が相次いで受賞する。120年あまりの歴史で、AI研究の受賞は初めてだ。まさに「新時代を告げる」受賞といえよう。
物理学賞では米国とカナダの2氏が受賞する。ジョン・ホップフィールド氏は脳をまねた「ニューラルネットワーク」で、記憶の仕組みを再現できると証明した。ジェフリー・ヒントン氏はAIが自ら特徴を探して学ぶ「深層学習」を確立した。「AIのゴッドファーザー」と呼ばれる。
化学賞では、米グーグルのAI開発部門、グーグルディープマインドのデミス・ハサビス氏とジョン・ジャンパー氏ら3氏が受賞する。生命活動の根幹となるたんぱく質の構造を高精度に予測するAIを開発した。
ノーベルは「人類に最大の恩恵をもたらす」研究に賞を与えるよう求めた。現代社会はAIなしには成り立たない。時代の変化とともに対象が変わってもよい。若手が刺激を受け、新しい研究に挑むきっかけになってほしい。
自動翻訳や画像認識、自然な文章や画像をつくり出す生成AIは物理学賞を受賞する2人の技術がなければ発展しえなかった。ディープマインドのAIは世界の科学者が利用し、創薬や病気の研究を大きく変えようとしている。
ヒントン氏らの受賞については2021年に受賞した真鍋淑郎氏と同様、物理学の主流と異なるため、驚く声が多い。AIの原理も気候科学も物理学が基盤なので、こうした受賞は増えるだろう。
チェスや囲碁などでは、人間はAIに歯が立たない。人間を超す知性が生まれる日も遠くない。ヒントン氏はかつて日本経済新聞の取材に「AIが人間を排除するリスクを懸念している」と語った。記者会見でも「安全性の取り組みが必要だ」と訴えた。
科学は負の側面も抱えている。AIが暗い未来をもたらす恐れがある。ヒントン氏の危惧に国際社会は応えねばならない。