今日はこちらの本。
マネジメントする対象がいませんがw
これの知識で、私が、私のマネジメントをしていきますね。
本書は、ホワイトカラーが多い職場の35歳前後の新人マネージャーを念願に議論を進めている。
【ミドルマネジメントの役割】【業務のマネジメント】【人のマネジメント】【チームのマネジメント】【部署の地位のマネジメント】【イノベーションのマネジメント】【組織改革のマネジメント】の構成になっています。
【ミドルマネジメントの役割】
・マネージャーの仕事
企業や組織が短命、あるいは長期にわたって社会的責務を果たしながら結果を出すために、経営資源(ヒト.モノ.カネ.情報)を適切に活用して業務を遂行する。そしてそのための体制を作り、配下の人材のスキルを伸ばし、動機づけを行い、正しい方向に導く。
・リーダーとは組織をより良くするための変革を成し遂げる行動。
・マネジメントとは複雑な環境に対処し、既存のシステムをうまく運営し結果を残す行動。
・ミドルマネージャー
適切なリーダーシップ行動をとり、適切なフォローシップ行動をとり、部下を模範的なフォロワーにしていくかが求められる。
「部下に恵まれない」と嘆くマネージャーは、自分のマネジメントやリーダーシップが貧弱がという表現の方が相応しい。
[部下の指導、支援、人材育成]
①正しい方向に向けて仕事をしてもらう
コミュニケーションを通じ、ビジョンや組織文化に沿った方向性にする。
②スキルを伸ばす
直接指導や権限委譲やウェブ教材など、部下の状況に合わせて選択。
③モチベーションを高める
日常の観察を通じ、部下のやる気が高まる仕事をバランスよく割り振る。
④適切な態度をとってもらう
職場の雰囲気を好ましく保つため、信用に欠ける行動は即改めさせる。
・ミドルマネージャーの課題
1. プレーヤー意識が抜けない
結果を残してきた仕事に愛着を持ち、手放したくないという本能があること。マネジメントの仕事の価値を理解できていないことが原因。
2. 権限以上がうまく行えない
自分の方が上手くできると考え、部下の教育がまどろこしくなる。特にプレーヤーとして優秀だったマネージャーほど、部下の能力に対する不信(粗探し)をしてしまう。またはスキル不足。
3. 経営の視点が持てない
経営目線の想像力不足、経営に対する知識不足。マネージャーでも、経営陣の意図を理解した上で高い視座で動きたいし、マネージャーがMBA的な知識を理解してる方が高いアウトプットを出しやすくなる。
4. 上司と現場の板挟み
現場の「現場のことは自分たちが一番よく知っている」反面、現場から離れがちな上司からの板挟みを自分の判断軸で決めなければならない。上司と部下それぞれの世代間の価値観を繋いで、自分のアイデンティティを保つことが必要となる。
5. ビジネス経験が浅い部下が多いい
ビジネス経験が浅く、スキル的にも意識レベルの低い「未熟な部下」を指導するのは難易度が高い。
【業務のマネジメント】
・アサイメント
「しなくてもいい仕事を辞め」、「優先度の高いものから着手すること」が高いアウトプットにつながる。このやり方はなぜずっとこうなのか?その仕事が価値を生み出しているか?などと問いかけて、やめるべき仕事を精査していく。
・業務プロセスを見直す
効率化だけではなく、質をあげる改善をすることが必要。
1. 業務を洗い出し、可視化する。
関連部署にヒアリングして、フロー型の見える形にする。
2. 問題の発見
漏れやダブり、待ち時間の長さなどの非生産的な部分を見つける。
3. 原因の特定
試作の前に、それが生じた原因を考察する「なぜなぜ分析」
4. 施策の立案
ITの活用を意思しながら、いくつかの選択肢を検討する。
5. 実行とモニタリング
施策を導入して、その結果をモニタリングして次に生かす。
・KPIの活用
業務の達成度合いが可視化されることで管理や問題解決がしやすくなる。加えて、人々の意識を集めて動機づけしやすくなる。
・KPIマネジメントの注意点
[KPIを正しく集める]
集まった数字が信用できるか、タイムリーなデータか(特に自己申告系)
[KPIのバランスをとる]
人々の行動を望ましい方向に向ける場合、設定と評価をバランスよく適切に行わないと、評価を気にして間違った方向に向かわせる可能性がある。
[KPIの限界を知る]
KPI達成の評価だけではなく、上司とのコミュニケーションを通じて本人の内部的動機も必要となる。
[フォローアップを行う]
単なる進捗確認ではなく、問題の特定や解決方法、動機づけなのも大事。
・リスク管理
[オペレーション]
営業や製造、サービスや誤発注、セキュリティなどのすべてのリスク。計画通りに進むように細かくPDCAを回して監督したり、部下にヒアリングして出来事を可視化して解決する。
[資産減損]
不良債権化したり、訴訟による価値減少のリスク。専門性を磨いて解決する。
[競争]
競争や顧客の嗜好の変化、代替え品で既存のサービスが売れなくなるリスク。現場よりのマネージャーが察知しやすく、正常性バイアスに巻き込まれずに上司に報告できることが望ましい。
[評判]
上記に付随する結果のリスクや、コンプライアンスや不正などのリスク。部下の働き方を丁寧に監査することが必要で、仮に不正があった場合は戒めることもマネージャーの仕事。
・PDCAによる成果が出た場合は、組織で横展開していく発想も必要。再現性が高く同じ成果が出るための仕組み化を図る。そのためには、論理思考と想像力を働かせ、仕組みに落とし込もうとするマインドセットを持ったマネージャーも必要。
【人のマネジメント】
動機づけの理論
[衛生要因理論]
仕事の達成感などの「動機づけ要因」、不満が解消されている「衛生要因」の双方が満たされていること必要である。
[マズローの欲求五段階説]
1. 生命を維持するための根源的な欲求、生理的欲求
2. 安全で豊かな生活を求める欲求、安全欲求
3. 人とつながって孤独を忌避したい欲求、所属と愛の欲求
4. 他者から尊敬された欲求(低次は名声、高次は自己肯定感)、承認欲求
5. 自分の存在意義を実現する欲求、自己実現欲求
[期待理論]
「頑張れば何を成し遂げられ、それが何をもたらし、それによってどれだけの値打ちがあると予測されるか」、についての知覚や心理的過程がモチベーションを左右している。Reward/Goal/Efforts
[期待ー価値理論]
「コストが小さく、楽しめて役に立ち、自己実現にもつながる課題」をマネージャーが見つけ、部下に適切な頻度で与えることで、部下のモチベーションが高まる。
[達成目標理論]
自己の能力を伸ばしたい「学習目標」と、自分の能力に対して肯定的な評価を得ることにつながる「遂行目標」による達成目標がある。
[自己決定理論]
人間は、「有能さ」「関係性」「自立性」の欲求を持ち、それらを元にした内発的動機づけによって、高いパフォーマンスを残す。
・単純業務をする部下であれば内発的動機にこだわる必要がなく、オーソドックスな対応で良い。一方熟練の社員などの非定型業務に関して、内発的動機の手助けや成長の欲求を満たす手伝いをすることが必要となる。
・内発的動機の手助け
1. 有能さを知らしめたい、関係性をよくしたい、自律的に働きたい部下の欲求を限りなく満たす。
2. 仕事の意味づけを変える。レンガを積んでいるのではなく、大聖堂を作るとか街を守っているとか。内発的動機反映されて行動できるようにする。
3. 部下に対する期待をあえて間接的に伝える。
4. 日々のコミュニケーションを通じて、相手の自尊心に訴えかける。あなたのようににできるはずの人が、こんな成績だなんて残念だわとか。
5. 会社を信頼し、愛着を持ってもらえるように、従業員のエンゲージメントを高める。
・目標設定
目標設定をする上で高すぎず低すぎず、部下のモチベーションやスキルが高まるものにしたい。SMARTに。
Specific/Measurable/Agreeable/Realistic/Time-Related
加えて、合意に至った目標の数値が部下自身の口から言わせることが良い。
・評価
公平さと正当性を意識する。バイアスを避けて、評価結果だけではなくそこに至るコミュニケーションのプロセスを重視することも良い。
[好意]接触する頻度や共通点の多さで、好意を抱き、甘めになってしまう。
[近日効果]直近の出来事に意識が引っ張られてしまう。
[ハロー効果]目立つ印象によって、全体の評価が影響してしまう。
[中心化傾向]5点中3点前後に評価が集中してしまう。
[寛大化傾向]嫌われるのを恐れて甘めに評価してしまう。
[大差誤差]優秀な人を基準にして、他が辛めになってしまう。
これらのバイアスにの存在を意識しておくことが重要。
・フィードバック
相手がもっと頑張ろうと思えるように、称賛の言葉をかけることが大事。ただし優秀な部下に対し、それが常態化して、褒め言葉が減らないように注意ミスなどでネガティブフィード爆をする場合は、「まず褒め、そのあと耳の痛いフィードバックを行う」という手法が良い。
1. 成長のためのヒントであることを明示する。
2. 「人」と「自称」を分け、ロジカルに伝える。
3. 部下が7割喋れるように、傾聴を心がける
4. 相手を傷つけないように包みつつ、「刺さる言葉」を彫らぬ。
5. 一緒に考えていこう!となる、コミュニケーションの土台を作っておく。
・部下のメンタルヘルスの問題に関しては、まずは日常的な適応アプローチで改善をとる。マネージャーとしては、部下と日頃からコミュニケーションを取り、過度なストレスがかかってないか・メンタル不調が生まれていないかの意識を向けることが必要。
・ビジネスパーソンに求められる一般的なスキル
[論理的思考力][コミュニケーション力][仮説構築力][情報収集力][データ・分析力][次の打ち手を考える力][プレゼンテーション力][周囲を巻き込む力][チームを作る力][志を育てる力][テクノロジーの力][異文化理解力]
・エンパワメント
具体的な行動計画を策定させ、5W1Hを意識して計画性をチェックしていく。その計画通りに実行する必要があり、そしてやっぱなしではなく、都度一緒に振り返りを行うことも重要。
難しい仕事やマネージャーの仕事を部下にしっかり任せる。最初のうちは結果に繋がらず手間がかかるかもしれないが、そこを我慢して部下の可能性を信じることが望ましい。
・コーチング
傍聴・質問・承認を基本したコミュニケーションをとり、相手の学習の成長や変化を促し、相手の滞在力を引き出して力を最大限に発揮させる。
[傍聴]
物理的にも感情的にも部下にとって安心できる雰囲気を作り、情報を引き出していく。マネージャー自身の若い時の経験談も効果的。
[質問]
質問によって相手に気づきを与える。部下に話させ、自ら「そうか!」となるような質問をすることで、スキル向上や定着が効果的。
[承認]
上司に認められているという感覚を持てるように、部下の考え方を尊重する。部下が間違った発言をしている場合は、すぐには否定せず、部下が自ら不適切と気づける質問をすることが望ましい。
・育成方法
率先垂範、ティーチング、ロールモデルの紹介、勉強会、オンライン教材、セミナー、MBA通学など。学んだ先の果実を説明して、本人が自発的に行うことが望ましい。
【チームのマネジメント】
・チームは、そこに至るステップが存在する。
「形成期」集まっただけで、集団の目的が共有されていない。
「激動期」議論や衝突が生まれ、役割や地位のイメージを形に。
「規範形成期」集団の目標や各自の役割となる規範を理解して共有する。
「実現期」目的を持った集団として構成員が統合し、集団として機能する。
「終了期」目的達成や分化などで解散する。
新プロジェクトや新たな部署を作る場合は、現段階がどれかを把握して、序つ愛に適合したマネジメントを行うと効果的。
・良いチームは、「マネージャーが何もしなくても、スキルやモチベーションの高いメンバーが自発的かつ協力的に働き、高いパフォーマンスを出し続ける」状態が理想。
[スキルや個性が相互補完的]
業務に加えて、性格などの個性的なスキルも補完しあっていると望ましい。また、性格はよしわるしというより、置かれる環境が大事。
[部署の規範が共有され、疑集性も高い]
こうした方が望ましいというルールが共有されていて、集団がメンバーを惹きつけて、集団の一員であり続けるように動機づける。部署の目標や上司を魅力的に磨き、楽しかったり成功体験を味わえたりできるものにする。
[お互いに助け合う風土が根付いている]
皆が高い視座を持ち、部署の目的達成に向けて何をすればいいか考える状態が望ましい。自分の評価に繋がらないことには拘らないなどとならないよう、他人を助けることを評価に入れたり、他人を手伝うことで自分も手伝ってもらえるという意識を部署に植えるける。
[必要な多様性が担保されている]
社会的な要請と、競争力維持の観点で「異分子」の人間の存在が必要となってきた。多様性をうまくマネジメントするために「個々の尊重」「心理的安全性の実現」「共通言語の構築」「目標やビジョンの共有」「働きやすい環境の整備」が必要となる。
[組織学習が根付いて、組織として学び変わろうという姿勢が強い]
個人レベルではなく組織として学び適応し、変化することが好ましい。部下の自立を促し、ビジョンを共有し共感を促し、チーム内のインタラクションを活性化させることで、組織学習が進む。
・コミュニケーションのマネジメント
日常的なコミュニケーションにより、「業務の遂行が円滑に進む」「自分一人では生まれないアイデアが出る」「組織に対するエンゲージメントが向上する」「相手の信頼感が増す」などの効用がある。
コミュニケーションを活性化するために、
1. マネージャーが自ら率先し、良いコミュニケーションを褒める。
部下のレスポンスの速さや、面白い内容などで「良いですね」と返信。
2. 一線を超えない私語など、前向きな発言を促す。
相手へのリスペクト、ビジネスが好ましい方向に進む、受け手目線など。
3. コミュニケーションしやすい雰囲気を醸成する。
話しかけられても嫌な顔をしないなどの規範はつけたい。
4 コミュニケーションが活性化するテーマ(お題)を提供する。
どうすれば顧客満足度が上がるか?ズレた答えでも咎めない。
5. 業務の効率化でコミュニケーションのための時間を増やす。
ルーティン業務が忙しく時間がない、といった状態を取り払う。
6. 非公式なコミュニケーションの場を設ける。
ランチの雑談など。メンバーが固定化しないように注意。
・メールなどのコミュニケーションの注意点
感情的にならないように、「1分間見直す」などのルールを設定して悪印象を与える文体や内容を避ける。メタ認知を促すことも大切。
[送信先を間違えない][同報者が多い場合は、Re:で内容を変えない][長すぎず簡潔な文章]
・オンライン会議ツール
時間厳守で、接続確認も行なっておく。表情が見えるようにして(画像をオフにしない)、雑音を入れず、直接ではない会議に依存しないようにする。
・会議の効用
会議をすることでコミットメントが増すことに加え、規範を伝えることができる。PDCAが回っていれば達成意欲を植え付けることができろ。さらに緊張感を持って会議に挑み、部下にファシリテーターを任せたりするなどして組織全体のスキルが高まる。
・会議のプロセス
1. 会議開催の是非や会議隊のあり方の設定
会議は皆の機械費用以上の効果をもたらすことが必須である。また、特にマネージャーは、スケジュール調整で時間を無駄にしないように注意。
2. アジェンダの設定と共有
事前に共有して、過不足がないかもメールで確認する。
3. 部下が準備するように促す
推奨フォーマットを用意しておき、それを元に事前準備をしてもらう。
4. 会議の実施
相手内野揃わないにならないように、「オンタイム」の意識を部下に植え付ける。優先順位を意識するタイムマネジメントも必要。
5. フォローアップ
可能な限り議事録を残し、各メンバーが次までに何をすればいいか明らかになるようにしておく。
・コンフリクトの効果
相手の意見や態度で緊張状態が生じ、当事者どうして不快感を味わったり、組織の空気が悪くなる。マネジメント次第ではアイデアの創出や本質的な問題の発見に繋がり、組織の成果を高めるドライバーにもなりうる。
・コンフリクトの解消に向けて
影響を知り(介入すべきかどうか)、パターンを知り(どのように生じたかのパターン)、性質を知り(実務上か感情的な問題か),原因を知る(外部要因か個人的要因か)
1. 交渉
人格を責めないような態度を取りつつ、当事者同士で議論して妥協点を見出す。リスペクトは忘れないように。
2. 制御
双方の業務上の接点を減らすなど、マネージャーがコントロールする。
3. 建設的対峠
お互いのスタンスを理解して、意識を変えさせる。
【部署の地位のマネジメント】
ミドルマネージャーは部署の代表として、以下のことを確実にこなしたい。
1. 根回しを適切に行う
多くの人を巻き込む場合は、事前に意図を説明して、納得を得て多数の人を味方につけておく。マネージャーは、「自分こそが会社や部を引っ張る」という当事者意識を持ち能動的に動くことが必要。
2. キーパーソンを見極める
役職や権限と、職場の影響力は比例しないことから、社内の実質的な重要人物を適切に見分けておくことで、仕事を効率よく進める。
3.交渉でwinwinの落しどころを探る
部署が大きく離れている場合、縄張り争いが生ずる可能性がある。村と雨にWin-Winの落とし所を探り、双方が納得する妥協点を見据えながら丁寧のコミュニケーションをとることが求められる。
4. 部署のスポークスパーソンとして振る舞う
部署内の状況や手伝って欲しいことをオープンにして公開し、協力を得られるきっかけにする。文章においては、ロジカルに加えて相手の心に残るような文章の工夫が必要。
5. 上司をうまく使う
ミドルマネージャー自身だけでは難しい場合は上司をうまく使う。上司の風景をイメージして、上司にもメリットのある話で振る舞いたい。
・ミドルマネージャーの資質
武器を持っておくことで、部署の代表としても部下のマネジメントも有効に働く。
1. パワー基盤
[公式の力]強制力や報酬力、政党権力やマネージャーしか持てない情報力で部下に影響を与えることができる
[個人の力]専門性、同一化力、カリスマ性からなる。マネージャーは、スキルを伸ばしながら地道な仕事で結果を積み上げ、「あの人の言うことなら聞く価値がある」と思ってもらえることが必要。
[関係性の力]知人がいることでサポートされやすくなる。社外にもネットワークを気づいておくことが大切になる。
2. 高い志
社長までは行かなくても、部長クラスの「やや背伸びした程度」の視座で、マネージャーは志を立てると良い。日本では謙虚さが美徳とされるが、問題解決の共同作業とすれば目標の高さはむしろ望ましいことである。
3. 周りからの信用・信頼
自分の専門性やスキルを磨き、仕事で着実に結果を出す。約束は守り、相手に切実な関心を持って日頃から対話する、人を助けるといった行動も重要となる。加えて、自分をメタ認知し、自身の人間力を鍛練すると良い。
4. ネットワーク
人間は物理的に頻度が高く長く会う相手とは好意を持ちやすい。それを意識した上で新しい人脈とは適度にコンタクトをとり、積極的に生か
す。量だけではなくネットワークの質にも目を配り、成長性のある後輩とも関係性を構築することも将来に影響が出てくる。
・見返りを求めず、<ギブ・ギブ・ギブ>を徹底的にやるべき。
【イノベーションのマネジメント】
・イノベーションの種類
[オペレーションに関するイノベーション]
コンビニの、裏側から飲料を補充できるようになった冷蔵庫
[製品・サービスのイノベーション]
インスタントラーメンやウォークマンなど
[ビジネスモデルのイノベーション]
個人営業が普通だった食品ビジネスに参入した、ファミレスなど
[構造的イノベーション]
馬乗りから車になるなど。
[マネジメントのイノベーション]
京セラのアメーバ経営や、トヨタのリーン生産
・イノベーションでのマネジメント
イノベーションは「遊び的な」アイデアから生まれるため、ルーティン業務で部下の時間を埋めない。顧客を観察してニーズを考え、いつまでも頭で考えないでテスト的に市場に出して顧客の意見を聞く。
[アイデアの発散方法SCAMPER]
Substitute:入れ替えたら?
Combine:結びつけたら?
Adapt:応用させたら?
Modify:修正したら?
Put to other purpose:他の目的に使用したら?
Eliminate:除いたら?
Rearrange:並べ替えたら、逆にしたら?
[イノベーション人材に必要な力]
関連付ける力:普通の人が無関係と思える問題やアイデアを結びつける力
質問力:現状を把握する質問や問題を破壊するような質問力
観察力:物事を注意深く観察して、新しいアイデアを着想する力
実験力:新しい実験、物を分解、アイデアを試すから洞察を得る力
人脈力:新しいアイデアや考え方を得るために異なる人と繋がる力
・自分の能力を認めてもらいたい欲求を持つ異才の力を借りるためにも、イノベーションの筋を良いものにし、志の高さも上げる。
・メインビジネスとのカニバルを避ける
通常のイノベーションとは異なり、経営者を早い段階で説得する必要がある。「可視化された現実」「象徴的なエピソードや声」「イメージしやすい将来ストーリー」「新しいやり方に関する明確な顧客からの期待」を揃え、やるしかないと思ってもらうことが必要。
【組織改革のマネジメント】
組織改革とは、「環境変化に合わせ適切なビジョンや戦略を打ち出し、人々の意識・行動を変え、結果を残すこと」である。マネージャーが組織変革を導く経営者の良きフォロワーとなり、率先した部下の意識・行動を変えることができれば改革は一気に進む。
・組織改革のプロセス
「解凍」「変革」「再解凍」の3つのプロセスが必要である。現状の均衡状態を打ち破り、変化のための行動や考えを学習し、新しい導入を定着する。
大規模な組織変革を推進するための八段階の変革プロセス
1. 危機感を醸成する
市場と競合の状況を分析し、自社にとっての危機や成長機会を見つけ、検討することで、組織改革の関係者に「危機意識」「緊迫感」を生み出す。
2. 指導者グループを形成する
スキル、人脈、信頼資産、権限が一定レベルである同志や上長を募り、チームを築く。
3. 変革のビジョンとそれを実現するための戦略を創り上げる
皆がワクワクできるビジョンを構築して、それを実現できる戦略と立てる。4. 変革のビジョンと戦略を伝える
断続的に新しいビジョンと戦略を全社に伝えることが必要。
5. 改革のビジョンと戦略を実現するためにエンパワーする
障害となる組織構造やシステムを改変し、部下にエンパワーする。
6. 短期的な成功を作り出す
早いうちに小さな成功体験を積み重ね、「結果を出せば報われる」と言う意識を持ってもらう。
7. 努力を維持する、さらなる変革を生み出す
順調に行かない時でも人々をどう気づけ、前進を怠らないようにする。
8. それらを企業文化として定着する
企業文化として根付いた時に官僚し、後継者の育成を進めていく。
・変革人材に求められるメンタリティを持っている人の特徴
1. 安易に現状に満足せず、失敗するリスクを恐れない
客観的に見つめて改良点や不良点を見つけ、良い方向に変化していこうというポジティブなメンタリティを持っている。変化を恐れることなく、主体的にリスクをとって成長する姿勢。
2. 容易に諦めない粘り強よさ、目標実現のための柔軟性
相手を納得させ、共に行動することを動機づける説得力。根底に絶対に諦めないという強い意志の力がなくてはならない。
3. 自分の軸になるビジョンや価値観を持っている
自らの生き方や仕事観、判断の基準となる価値観を明確に認識して、ブレないことが求められる。企業理念やビジョンに沿っている必要性がある。
4. 強い当事者意識を持っている
自分が携わる事業・プロジェクトに対して、強い当事者意識を持ってコミットできているか。湧き出る熱望や動機があるか。
・そもそも対抗勢力を産まない組織を作る
1. 職務のローテーションや業務プロセスの変更を行い、組織に揺らぎを与え続ける。不要な物を柔軟に捨てられる機敏な組織であり続けることが大切。
2. 「変化→組織への浸透→改善・効率化→変革」を小さくでも回し続け、経験値を持った人材を増やしていく。
【ミドルマネージャーのためのキーワード30】
続きはページを分けて書きます。
視座が違うことを意識した上でのマネジメントは難しいことであろう。


