月蝕 | たのしいゲイせいかつ
月蝕の海
紅い満月
こんな時、逃げてきたくなる。
いつなのか、昼からなのか、夜なのか
夢なのか、現実なのか、半信半疑な
半開きの瞼の世界
海藻が天に向かって、海神の木みたいに昇っていく
雲から怪しい天使が降りてくる、ジャックの豆の木みたいに
世界の養分を吸って、毒々しく波打つ、木
抽象画みたいに、不似合な紳士が海岸に立っている

問いかけてくる
「君が今、一番欲しい答えは何?
 君が一番、欲しい人は誰?」

いっぱい答えはあって、どれも答えじゃないみたい
山のように、答えを示してくれる52枚のトランプ
78枚のタロット
世界を、すべてを表しているカードは
果たして自分を納得させはしない

答えは、ない
けれど、答えは海の呻り声が示している
声なき声
救いなき明日
それでも太陽は怪しく、光り輝いて
闇夜の空で、雲のストロボになって
照らしてくる