研修日誌4。 | 適当な事も言ってみた。

適当な事も言ってみた。

~まあそれはそれとした話として~

前日に東京の実家に帰る。
弟から「信仰と政治的思想の違いは何か?」という議論を吹っかけられ
それなりに意見を交わすうち、なぜか
「サミュエル・ベケットはやっぱすごいよ」
という話になり、議論は深更に及ぶ。

故に、超寝不足。眠い。だるい。そして蒸し暑い。

5月26日/Bunkamuraアントニオ・ロペス展
10:00時過ぎに入館。
作品は思ったより充実していて、入りもまばらで大変見易かった。
業界外では確かにあまり有名ではない人…だよね。
是非観たかった「眠る女」というレリーフ作品が素晴らしかった。
$適当な事も言ってみた。

ブロンズのレリーフもよかった。
大好きなジャコモ・マンズーに通ずる魅力があって、すごくカッコいい。

ロペスと言えばずっと
”グラフィカル”な写実っぽい絵を描く人、という印象を持っていた。
でも決してよくある耽美系の辛気くさい写実(僕はああいうのが大嫌い)とは
まったく次元の違う仕事だと思う。

そして今はどっちかと言うと、彼の彫刻家としてのセンスの方が好きだと感じた。

もっと観たいなァ。

観つづけること、素描し続ける事という姿勢と
何年も長いスパンを掛けて作り続けるスタイルは、
一見ストイックに見えるし、実際そうなのかもしれないけど、
多分、そうする事で味わえる神髄みたいなのが
きっと彼の芸術の本質なんだろうな、

思った。

最近の平面作品は、(おそらく多大な影響を与えているであろう)
アレックス・カネフスキーの方が良い仕事をされていますな。

ランチのあと、

国立近代美術館のフランシス・ベーコン展へ。
まず気になったのが客層。ロペスと全然違う。
ファッションモォンスター多し。タトゥー率高し。
なんでだろう。

所謂「アウトロ—」が好みそうな絵、というのは解らないでもない。
ティム・バートンの「バットマン」のエピソードもあるしね。
でもなんかフリークショウみたいな態でそれを観るのは、ちょっといやだ。
とか思った。

展示は実は思ったよりグッと来なかった。
観たい作品が殆どなかったというのもあるし
所謂「ベーコン伝説」の方が作品の質を少々上回っているかのようにも思えた。
(もちろん僕の中にもだけど)

絵の具をぶちまけたり、偶然性を重視するような仕事は
確かにあったのだろうとは思う。
だが、ゴッホをヒーロー視していたという時点で
制作はかなり神経質な蓄積によってなされていたのではないかと思う。
画面を観ているとそうとしか思えないし、そうであったはずだし、そうであるべきだ。
そしてそれ以上の「何か」として、
そういうアクシデンタルな要素を求めたのではないかと。
(インタビューでもそれっぽい事言ってた)

「絵描きが狂ってちゃあ駄目なんだよ」と亡くなった先生がよく言ってたな。
それを言ったら「キチガイの振り」なんてもっとダサいよな。
そういう人はあまりにも多いように思うけど。

あー眠いや。寝よう。
あしたから動物園。

ファッションモォォォンスタァァア~。